引っ越し業者が起こしたトラブル「敷金精算に口を挟むな」
多摩郊外にある貸家の入居者から退去の連絡があった。事情があって入居期間はたった2カ月だったのだが、その電話でこんな相談を受けた。
「引っ越してきた時、引っ越し業者が冷蔵庫を搬入しようとして引きずったようで、玄関のフローリングに筋のような傷を付けてしまったので、今、その引っ越し業者と補償について相談中なんですが、敷金の清算はどうなりますでしょうか?」ということだった。
【約定に則り】
「当方としては、原状回復の約定に則って入居者さんの敷金から差し引かせて頂くことになります。補償云々に関しては入居者さんと引っ越し業者とで十分に話し合って解決してください」と伝えた。入居者は「管理会社と引っ越し業者で相談して、直接引っ越し業者から支払いを受けてほしい」と考えていたようだが、それだと引っ越し業者が「払わない」と言ったならそれまでの話だ。仮に「必ず払う」と約束していたとしても当てにならない。
現に、引っ越し業者(業界大手)の担当者から当社に電話があり、「本当にうちで付けた傷かどうかは分からない」などと言われてもいる。その際に、「オタクさんが退去前に貸家に行って見積もりを出してみてもらえないか」とも頼まれたが、片道でも1時間かかるから下手すると半日仕事になる。そういうことを人に簡単に依頼する神経が分からない。「交通費も人件費も当方で出させて頂きますので」と言うならまだしも、である。
【責任問題】
その引っ越し業者、以前こんなこともあった。私が引っ越しの立会いに行くと、ちょうど荷物の積込みが終わったところ。退去者と話していると責任者と思しき担当者が話に割り込んできて「何年くらい住んでたんですか?」と退去者に聞く。「もう10年以上だね」と退去者が答えると、「だったら、敷金は全部返してもらえますよ。言ってやったほうがいいですよ」と言い残してチラっと私の顔を見てサッサと出て行った。それは引っ越し業者が口を挟むことではない。もしトラブルに発展したならどう責任を取るのか。
当然に引っ越し業者の本社に猛抗議したし、以後は契約に来たお客様や退去者には「この引っ越し業者だけは使わないでくれるよう」お願いしている。
(坂口有吉不動産・社長)























