都庁に通報も事なきを得る「理不尽で不誠実な客」
管理物件に同業者から申し込みが入った。申込者は市内で仏壇店の店長をしている男で、「風呂釜を交換してくれれば借りる」との条件だ。家主さんに相談すると「まだ壊れてないけど、15年も使っているから結構ですよ」と快く承諾してくれた。申込者に「キャンセルだけはしないでくださいね」と念を押すと了解したが、契約は契約金を用意できる月末の2週間後になり、風呂釜交換も済ませ、契約日を待っていた。
前日になって「契約金が用意できないからキャンセルする」と一方的に言ってきた。あれほど念を押したのにである。
【弁償は無理】
家主さんは当然に激怒して、「だったら風呂釜代を弁償してもらってくれ」と言う。そこで、「法的にそれは通らないので、物件を止めていた期間の日割り賃料を請求しましょう」との提案を渋々飲んでいただいた。
風呂釜代14万円に対して日割り賃料3万8000円である。男に伝えると「まあ、仕方ないですね」と了解したが、翌朝電話が入った。名乗りもせず、いきなり「アンタの店の免許ナンバーを言え」と命令する。声で誰かは分かったが、逆らわずに免許ナンバーを言うと、今度は「アンタの取引主任者ナンバーを言え」と言う。それも伝えると、「誰に聞いても『そんなものは払う必要がない。その業者は悪徳業者だから都庁に訴えてやれ』と言っている。これから都庁に電話するから覚悟しておけ」と言う。おおかた男が所属している先で知恵でも付けられたんだろう。
【都庁から電話】
20分ほどして都庁の住宅局不動産業指導課の担当者から電話があった。私が真相を話そうとすると担当者は、「業者さんは何もおっしゃらなくて結構ですよ。客の言ってることが滅茶苦茶ですから。ただ、日割り請求はあきらめた方がいいでしょうね」とのことで、正直、納得できる内容で安堵した。この話を家主さんに伝えたが、家主さんの怒りは収まらず、当然に当社は管理を降ろされてしまった。
(坂口有吉不動産・社長)























