人を見抜く目を持つ職業、「判断誤れば死活問題」
あくまで私見だが、人を見る目が最も優れている職業は、街の高利貸しと技量に差はあるものだろうが企業の面接官だと思う。
就職難で、いくら学生たちが就活セミナーを受け、付け刃でそつなく受け答えをしたとしても、経験豊富な面接官にかかれば簡単に化けの皮を剥がされてしまうものだ。使いものにならない学生を採用すれば、人件費が無駄になるし企業の存続にも関わる。一方、街の高利貸しからすれば、ちゃんと返すかどうかの人柄の判断を誤れば即赤字につながる。人を見る目が無ければ生き残ってはいけない。
【高利貸し】
実はうちの家主さんの中に、元は高利貸しをされていた方がいて、体験談を聞かせていただいた。貸し出す時に、客に必ずこう伝えていたとのこと。「もし、どうしても返せなくなったら利息は免除してあげるから、何年かかっても元本は必ず返すように」と。すると、返せなくなった人の中で、言われたとおりちゃんと返しきった人は、その後に別の事業を興しても成功している。しかし返さずに逃げてしまった人は、風の便りに「何をやっても上手くいってない」と聞くとか。
私もその昔、平塚に単身赴任していた時に、面接官や高利貸しではないが、怖いくらい「人を見る目」がある定食屋のオバサンに出会ったことがある。たまたまランチを食べに行くと、客は私だけで、そのうち別の男性客が入ってきた。すると、その客に料理を出したオバサンは、客の傍に腰を下ろして話し始めた。
【食い逃げ】
「こないだねえ、食い逃げにあっちゃって大変だったんだよ。最初から『持ち合わせがない』と言ってくれればタダで食べてもらってもいいんだけどさ」と言うのだ。最初は、常連客とか、私を牽制したのかな、と思って嫌な感じがしていたのだが、食べ終えた客が驚くようなことを言う。
「すみません、財布、忘れてきちゃったみたいで・・・」
後で聞いた話では、オバサンはその客が入ってきた時点で「無銭飲食」だと見抜いていたんだとか。「この歳までいろんな苦労をしてきたから、そんなのは目を見た瞬間に判るさ」とのこと。恐れ入った。私も早くその域に達したい。
(坂口有吉不動産・社長)























