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プレミアム会員限定イマドキの個人投資家-こんな業者に依頼する

マンション・開発・経営

再認識された管理会社

イマドキの個人投資家-こんな業者に依頼する

(株)シー・エフ・ネッツGM・シニアコンサルタント
IREM-JAPAN理事・CPM公式セミナー講師・CCIM-JAPAN理事 猪俣 淳

 多くの不動産投資本や情報商材が、「運営上のコストダウンをはかるために物件の自主管理を…」と勧める一方、その限界を感じ始めた個人の不動産投資家が目に見えて増えています。
昨今の権利意識の高まりは賃貸物件の入居者も例外ではなく、多くの地域が慢性的な借り手市場であることも相まって、支払う家賃に相応しいあるいはそれを超えるレベルのサービスを当たり前に求められるようになったということが大きな原因です。そして、入居者が求めるサービスを十分に提供するためには、本来の仕事の片手間に行うには限界があるということが改めて再認識されたということでしょう。

 また、不動産賃貸事業経営を行う上では避けて通ることのできない特有の物的・人的クレームや数多くのトラブルに対して必要とされる処理能力が多くの場合不足している、あるいは精神的・時間的負担が非常に重いということに運営を通じて気づかされるというケースも少なくありません。

 さらには、空室を解消するために必要なスキル・人員・ネットワークの差が個人と専業者では比較にならないほど大きいということを、様々な問題が顕在化したあとで改めて実感し、パートナーとしての不動産会社を求めるというケースが多く見受けられます。

 裏を返せば、そういった様々な問題や懸念を解決してくれ、安心して任せられるかどうかということを判断基準として、依頼する業者を選択するということでもあります。

 ここでは、個人投資家が何を不安に思い、何を求め、何を見て業者選定を行うかという点について
1. 信頼性
2. 空室解消能力
3. 問題解決力
4. コンサル能力
といった四つの視点から整理してみましょう。

パートナーとして付き合う四大条件

1. 信頼性

 パートナーとして選択されるうえで、大前提となるのは「信頼性」です。不動産会社に比べ、より安全とみられていた賃貸管理会社や保証会社の大型倒産がある時代、会社の信頼性はより重要な要素となります。財務の健全性や企業の社会性、事業への取り組み姿勢といったものは、風評も含めインターネットの時代には容易に知ることができます。

 また、顧客と接する現場社員の資質から会社全体が判断されるということはいつの世も変わりません。①身なりや言葉使いはビジネスパーソンとして相応しいか ②ダブっても報告・スピーディーに連絡・素直な心で相談といったコミュニケーションスキルは身についているか ③損害保険や入退去に伴う精算などお金の扱いがきちんとしているか ④取得資格も含め業務に関する知識や経験は豊富か ⑤時間を守るといったことも含めて約束はきちんと守られているか ⑥メモを取り復唱するなど依頼事項が間違いなく遂行されるという安心感を提供しているか ⑦メールや電話の回答などのレスポンス、スピード感があるか ⑧細やかな部分まで行き届いた仕事の丁寧さがあるか・・・あらゆる場面で、顧客はパートナーとしての資質を量っています。

2. 空室解消能力

 管理の委託を検討する際、最も多い原因としてあげられるのは「空室問題」です。不動産会社に対して行ったある調査では、客付の優先順位として①社有物件 ②サブリース物件 ③専任管理物件 ④一般管理物件 ⑤客付手数料・広告料(AD)が出る非管理物件 ⑥ADが出ない非管理物件という結果が出ましたが、物件オーナーも含めた大方が予想する通りの結果になったともいえるでしょう。

 自主管理物件は⑤または⑥ということになりますが、⑥(ADが出ない非管理物件)についてはそもそも客付対象としないという業者も少なくありません。自分の物件のオリジナルHPを作成したり、SNSをはじめとしたインターネットを活用して自ら募集活動を行うオーナーも珍しくなくなってきましたが、そういった方々の中からも「それを専業として行っている企業にはどうしても太刀打ちできないことを実感した」という声を数多く聞くことができます。特に賃貸物件の大量供給により需給関係が大きく崩れた多くの地域では、入居者の奪い合いが生じていますからその傾向が強くなります。

 不動産会社に管理を依頼するにあたり何をもって空室解消能力があるかという判断をするかというと、まず、その会社の管理戸数と管理物件全体の稼働率、顧客発生数、成約率、解約率といった定量的なデータが重要になります。

 どの位の実績があるか、オーナーやテナントからどの位支持されているのか、見込み顧客は十分にいるのか、営業力があるのかといったことを数値で示す必要があるということです。そのためには、データの蓄積や分析が欠かせません。

 

求められる広告代理店機能

 こういった情報のほかに、スーモ・HOME’S・アットホーム・ヤフー不動産といったポータルサイトへの掲載状況や写真・コメントの量と質、募集図面のクオリティ、HPや店頭掲示の量と質といった部分も大きな判断材料となります。直接契約を狙って自社のHPにしか物件掲載をしないといった独りよがりの考え方はもう通用しないということです。また、不動産管理会社の広告代理店としての機能にも注目が及び求められている、ともいえますので、プロモーションとしての広告活動の価値をあらためて問うべき時代になったということでもあります。

意識の低い入居中の対策

 さらには新規募集にかかる諸負担を減少させる有効な手段として、入居者の退出を防ぎ稼働率を上げる「入居者保持(テナントリテンション)」という視点が広義の空室対策として重要視されています。簡単にいえば現在の入居者がなるべく長く住み続けてくれるように、様々なサービスを提供するということです。言い換えれば、受け取っている家賃以上の(少なくとも受け取っている家賃相当の)満足感を与えるということです。空室対策には腐心する大家や管理会社は少なくありませんが、現在入居中の顧客に対しての対策には無頓着なことは「大規模修繕を計画的・定期的に実施する事業者5.8%(H19)」という国交省の調査からもうかがい知ることができます。業者への管理委託を検討している個人投資家が、その業者が実際に管理している物件を会社のHPやポータルサイトから確認し、現地に赴いたうえで空室状況を含めた維持管理状態をチェックすることもあるということを忘れてはいけません。

3. 問題解決力

 空室問題と並んで管理委託を検討する原因として多いのは、賃料滞納や入居者間のトラブル、物件に対するクレームといった諸問題です。ここでは遵法性やコンプライアンスといった専門的かつセンシティブな要素が生じるため、交渉力・問題解決能力・法律的知識が求められます。そして、多くの投資家がそのことによって個人レベルでは時間的・能力的制約に縛られること、決して軽くはない精神的な苦痛を生じるということをその経験から学びます。ただし、管理委託を検討する個人投資家によって、ひとりひとり経験し必要性を感じた問題の内容やレベルがそれぞれ違うため、「不動産経営を行う上で、どのようなトラブルに遭遇する可能性があるのか」、そして「それを解決するためにどのようなことをしなければならないのか」といったことを啓発し認知させる必要があります。

問題解決力をアピール

 入居者の死亡・失踪、反社会的勢力との対峙、ごみ屋敷・猫屋敷といったヘビーな問題から、騒音やゴミだしといった近隣トラブルの解決、滞納家賃の回収といったものまで賃貸経営にはどのような問題が生じ、自社はどのように解決したかという事例をアピールする機会をセミナーやメールマガジン、HP、あるいは出版・執筆などでもつことが効果的です。

 また、建物・設備・配管などのメンテナンス業務や緊急対応体制、コールセンターや巡回管理など問題に自社はどう対処し、あるいはどう予防しているかという部分も個人投資家が管理会社の問題解決力の有無やレベルを推し量る為の判断材料として重要な部分です。

 

4. コンサル能力

 不動産投資・大家業を不動産経営と捉えた場合、前述の空室対策や問題解決だけにとどまらず、物件を正常な状態に保つメンテナンスや、物件の魅力を高める資本改善、あるいは建替えや物件の売却・買替といった選択肢も重要な経営判断として検討すべき項目となります。経営・運営全般にわたるさまざまな選択肢と代替案を適切に採用・実施していくためには、投資の効率性と安全性を数値や指標で可視化する投資分析や、データや調査に裏付けられた市場分析が欠かせません。投資家自身の目標・目的と背景を十分に理解したうえで、最良と思われるいくつかの選択肢と代替案を提供し、それぞれの答えを持っていて、投資家にとって有効な提案を行ってくれるコンサルタント、あるいはメンターとしての業者が求められているということです。

投資家に有効な提案ができる

 メンテナンスを例にとると、建物を貸付ける事により収益を得る不動産投資・不動産経営とメンテナンスは切っても切り離せない関係にありますので、維持管理には当然コストがかかり予算をちゃんと組んでおく必要があるというのが基本的な考えですが、個人投資家が学ぶ多くの不動産投資本のなかではこれについて触れられていません。なかには、セルフリフォームを前提とする運営の組み立てをしているケースもありますが、それでもコストはタダではありませんし投資家本人の人件費も相当かかっています。資格・免許も含めて一個人が行う作業には限界もあるでしょう。

イマドキの個人投資家-こんな業者に依頼する

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屋上防水に亀裂があったり、高架水槽の劣化が激しい賃貸マンション。配管の亀裂、断水などは、経営上の非常に大きなリスクであり、目を配らないといけない。

 先日、屋上防水の亀裂や高架水槽の劣化が激しいというとある賃貸マンションの屋上に現地確認のために昇る機会がありました。屋上に上がる階段の入口は、施錠されていましたが受けの部分の腐食が激しく意味を成していません。こういった場合、万一誰かが勝手に屋上に上がって転落事故でも起こしたら所有者や管理者は賠償責任を負う羽目になります。不動産貸付業の経営をする上で非常に大きなリスクといえます。また、劣化の激しい部分をそのままにしておくと雨漏りによる鉄筋の腐食とコンクリートの爆裂、配管の破裂と断水・漏水といった大きな被害・損害につながります。実際、この物件では水道からの赤錆のクレームが入居者から発生していました。これは極端なケースですが、日常清掃などでも通路部分とかドアまわりの清掃は大抵きちんとされていても配管まわり・照明器具・階段の蹴込板などなかなか目が行き届いていないという物件などは多いでしょう。共用階段など鉄部の錆を放っておくと、どんどん広がって溶接処理や交換といった事態になることも少なくありません。揚水モーターの異常音をそのままにしておけばそのうち壊れて全戸断水という事態になります。

メンテナンスは以下の6つに分類されます。
1. 日常メンテ(定期的な清掃・除草など)
2. 予防メンテ(雨漏りする前に屋上防水を直す・切れる前に照明の管球を交換するなど)
3. 繰り延べメンテ(予算・部品調達・天候・土地としての売却など様々な理由でのメンテナンスの見送り)
4. 緊急メンテ(給湯器が壊れた・配管が破裂したなど緊急性のあるメンテ)
5. 表面的メンテ(カッティングシートを貼ったり、塗装したりという化粧の部分)
6. 調整メンテ(いわゆる修理・修繕)

 どれが必要か、どれをやるのかというのは、物件や予算によってあるいは投資家の方針によって変わります。繰り延べメンテでさえ選択肢のひとつです。ただし、予算を掛けてでも物件の状態を良く保つことは、それ以上の投資回収ができる場合が多く、それは特に賃料単価が取れる地域の物件であればあるほど顕著になります。逆に、賃料単価が安い物件だとそのあたりの負担が過剰になり投資回収が困難になる傾向があるということも申し添えておきます。それは、メンテナンスにかかるコストとそれによって影響を受けるNOI(営業純利益)の変動、あるいはそのコストを借り入れによって充当した場合の金利・年数などの条件によって変化するキャッシュフローの変化などから、数値をもとにした実施の判断を検討するという手順を踏むことになりますが、資本改善・建替え・売却・買替といった投資の選択肢も、同様に行うことになります。

 こういった、投資判断と提案の手法はIREM(全米不動産管理協会)の認定資格CPM(認定不動産経営管理士)資格の公式セミナーで学ぶことができます。(日本支部が設立され、現在国内で受講することが可能になっています

IREM-JAPAN事務局 TEL 03-5422-8404 http://www.irem-japan.org

CPMの役割は「オーナーの資産価値の最大化」と定義されています。倫理、マーケティングとリーシング、金融計算と戦略、メンテナンスと危機管理、人材管理、不動産資産の融資と評価方法・実績評価といった19日間に及ぶ実務的な授業と、マネジメントプランの作成をメインとした実践的な資格試験で、投資家から必要とされるコンサル能力をもつプロパティ・マネージャー(不動産経営管理士)として必要な知識と応用力を身につけることができます。ぜひチャレンジされることをお勧めします。

「顧客に対する思いやり」が基本

結論として、個人投資家からパートナーとして選ばれ支持される業者は、顧客に対する思いやりが深く、自分の仕事を磨き上げる姿勢をもつ会社や担当者であるということがいつの時代も変わらない本質であるといえるでしょう。そして、インターネットが発達し情報がなんでもタダ(FREE)で手に入る現代(=イマドキ)において、大量の選択肢のなかから、自分の経営にもっとも適している「何を」選びとるかということの手助けができるかどうかが大きな鍵となるということです。そして、そういった厳しい選択眼によって選ばれる業者が増えることは、業界の地位向上にとどまらず、とても社会性の高いことと思います。不動産業界・賃貸管理業界の皆さんの成功をお祈りしています。

 

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