タカマツハウス 恵比寿に買取再販初弾 用地取得後の出口拡充 RC造・大手住宅メーカー施工など
住宅新報 2026年7月21日 号 7面
仲介会社などから取得する用地の多くには既存建物が残っており、取得後に立地、建物の構造や状態、市場性を精査する。用地仕入れの中で活用に適した建物があった場合は、既存住宅を改修して再販するか、あるいは収益物件など別の活用方法が考えられるかを個別に判断する。
買い取り再販を前提に土地を仕入れるのではなく、取得した土地や建物の条件に適している場合の出口として検討することで、新築商品の拡充と既存ストックの再生を並行して進めるなど、用地ごとの事業化に柔軟性を持たせる考えだ。当面はノウハウの蓄積を優先する。
新築の建て売り住宅と同様、マンションから戸建てへの住み替えや、都心マンションの取得を見送った層などのニーズを想定し、都心の好立地という同社の仕入れ方針を維持しつつ、構造図面や施工履歴などを確認しやすく、躯体性能に一定の信頼を置けることを重視。RC造や大手住宅メーカーが施工した戸建て住宅を中心に検討する。
スキップフロアや地下室 構造生かしアップデート
「ミラクラス Re-Style恵比寿」は、JR山手線・東京メトロ日比谷線恵比寿駅から徒歩12分に位置する敷地123.22㎡に、建物面積222.75㎡の地上2階地下1階建てを改修。既建物は大手住宅メーカーが1999年に竣工した地下がRC造、地上部が木質パネル構造からなる注文住宅だ。
用地取得時は新築戸建ての供給を計画。当然、建物は「最初は壊すつもりだった」(金田専務)。だが、現地を確認したところ、外壁タイルや躯体の状態が良好で、地下室、高い天井、スキップフロアなど、新築で再現すれば多額の費用を要する空間構成も残っていた。更に、地下室は解体する場合にも相応のコストが掛かることもあり、改めて建物全体を調査した結果、既存建物を生かして付加価値を高めたほうが用地と建物の価値を引き出せると判断した。
商品化に当たっては、「元の構造をなるべく生かしながら、今風にアレンジした」(同社設計施工統括本部小松﨑英明部長)。間取り変更では施工事業者から過去の技術資料を取り寄せ、耐力壁の位置を確認。構造上の安全性を確かめた上で、撤去可能な壁を取り除き2階に約35帖のLDKを再構成した一方、既存のスキップフロアと高天井は残し、床の高低差を調整してダウンリビングとした。
地下室は既存のドライエリアや換気経路を活用し、ゲストルーム、趣味室、仕事場など複数の使い方を想定した空間に改めた。
一方、水回りは全面的に更新した。浴室は大型のオーダータイプとし、オーバーヘッドシャワーを設置。洗面室にはツーボウルの洗面台と造作収納を採用した。高級内装を手掛けるグループ会社の住之江工芸が造作家具などに協力し、既存住宅の再生とグループ連携を組み合わせた。金田専務は、同社との協業によって内装のバリューアップで相乗効果を出せたとの認識を示した。
都心では中古マンションの買い取り再販が定着する一方、好立地にある高価格帯の既存戸建てを再生する事業者は限られるとみる。土地価格や建築費が上昇する中、新築では同様の空間や仕様を実現しにくい既存住宅を再評価する余地が生じている。ただ、市場規模や顧客ニーズは限定的であり、第1弾の販売状況を含めて市場性を見極める。
今後も新築戸建て供給を事業の中心としつつ、新築木造アパートなど供給商品の拡充を図る。既存建物についてはRC造や大手住宅メーカー施工住宅から経験を蓄積し、建物の用途や間取りによっては賃貸併用住宅への変更なども検討する。髙松コンストラクショングループ内には改修工事や賃貸管理を担う会社もあり、案件に応じて連携する考えだ。用地仕入れを起点に、新築、既存再生、収益化などの中から、土地と建物に適した出口を選択していく。


























