不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第108回 脱炭素化支援機構の不動産分野への支援 中小企業の負担軽減へ継続を
住宅新報 2026年7月14日 号 7面
日本の地球温暖化対策は、1988年に制定された地球温暖化対策推進法を中心に進められている。この法律は、国・自治体・企業・国民が協力して温室効果ガス削減に取り組む枠組みを定め、2021年には「2050年カーボンニュートラル」の明記、24年の改正では二国間クレジット制度(JCM)の整備や再生可能エネルギー活用事業への支援拡充などが盛り込まれ、国内だけでなく海外とも連携しながら脱炭素化を進める仕組みが強化された。
この法律により設立された株式会社脱炭素化支援機構は、脱炭素社会の実現に向け、民間企業などの脱炭素事業に対して資金支援を行う機関で、民間だけでは進めにくい脱炭素投資の後押しを目的とする。
リノべるは、23年に不動産分野で初めて支援を受けた会社で、事業内容はリノベーションプラットフォーム、リノベDXプラットフォームの展開等である。同社は循環型社会の実現を目指し、既存住宅のリノベーションを推進することにより、建物の長寿命化や資産価値を向上させ、建築時等のCO2排出を抑える効果が期待される。
25年に支援を受けたライナフは、不動産テック分野でスマートロックや無人管理システムを提供する企業である。IoT技術を活用して物件管理の効率化やエネルギー使用の最適化を進めている。例えば、無駄な電力消費の削減や、管理業務に伴う移動の減少によるCO2削減効果が期待される。
こうした支援により、不動産業界全体でも環境配慮型の事業の増加が期待される。一方で、省エネ設備や改修工事には多額の費用がかかり、中小企業にとっては負担が大きく、脱炭素化がすぐに利益へ結び付かない場合もあり、継続的な支援制度が必要だ。
今回調べてみて、地球温暖化対策は不動産業界とも深く関係していることに驚いた。建物は人が生活する上で欠かせないものであり、そこで使われるエネルギーの削減は非常に重要だと思った。特に、古い建物をリノベーションによって再利用するのは、環境にも優しく合理的だと感じた。また、ライナフのようにIT技術を活用して脱炭素化を進める企業があることから、今後は不動産業界でもテクノロジーの活用が更に重要になると思う。一方で、導入コストや利用者の理解不足など課題も多いため、国や企業だけでなく、私たち一人ひとりが環境問題に関心を持つことが必要だ。
【教員コメント】
脱炭素化支援機構は22年10月に設立され、50年末まで活動予定である。財務大臣の出資比率が約70%、民間株主は大手金融機関や電力、ガス、鉄鋼、機械、運輸、建設、住宅会社等で、HPによれば、不動産分野への出資案件がまだ少なく、活用を期待する。(浜島裕美)

























