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プレミアム会員限定第62回 住宅ジャーナリスト櫻井幸雄 慧眼を開く アフォーダブル住宅に本腰なれるか

住宅新報 2026年6月30日 号 4面

連載: 慧眼を開く 住宅ジャーナリスト・櫻井幸雄

マンション・開発・経営
  • 第62回 住宅ジャーナリスト櫻井幸雄 慧眼を開く アフォーダブル住宅に本腰なれるか

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  • 東京都アフォーダブル住宅として募集が開始された「ファミルート船堀」、建設地から徒歩8分の船堀駅前には、「船堀タワー」の愛称で親しまれるタワーもそびえ立っている。(筆者撮影)

    2 / 2東京都アフォーダブル住宅として募集が開始された「ファミルート船堀」、建設地から徒歩8分の船堀駅前には、「船堀タワー」の愛称で親しまれるタワーもそびえ立っている。(筆者撮影)

 東京都のアフォーダブル住宅、その第1弾として募集が始まった官民連携ファンドによる賃貸住宅の続き。

 「野村不動産アフォーダブル住宅投資事業有限責任組合」が入居者募集を始めた新築マンション2物件のうち「ファミルート船堀」の建設地は、江戸川区内で都営新宿線船堀駅から徒歩8分の場所。東京タワー、東京スカイツリーとともに、「都内三大タワー」と呼ばれる(こともある)船堀タワーがある街だ。

 船堀タワーがある船堀駅から「ファミルート船堀」までのルートは街路樹付きの歩道が整備され、一部に「船堀グリーンロード」という樹木が生い茂る道もある。一方で、商業施設も多く、街の魅力は大きい。

 野村不動産は船堀エリアでのマンション分譲実績が多く、熟知した街で間違いのない物件を開発したのだと思われた。

 全51戸のうち、アフォーダブル住宅として募集を行うのは22戸の予定。約50m2の2LDK住戸で、それよりも小さい1LDK住戸は一般の賃貸住宅として入居者の募集を行う。

 アフォーダブル住宅の家賃は前回お知らせした通り、15万円から17万円程度。管理費を含む家賃となり、周辺相場と比較して2割程度安い設定となっている。ちなみに、アフォーダブル住宅ではない1LDKは周辺相場に合わせた家賃設定となる。といっても、2LDKより狭いので、家賃の差は小さいと考えられる。つまり、アフォーダブル住宅ならば、1LDKと同じような家賃で2LDKに住むことができ、ゆとりを持って子育てできるわけだ。

 官民連携ファンドを活用したアフォーダブル住宅はファンド期間が10年もしくは15年に設定されており、「ファミルート船堀」は10年のファンド期間だ。

 10年が経過し、建物所有者が変更されても賃貸契約は生きる。つまり、住み続けることが可能になるのだが、一方で、定期借家の方式を採用する点にも注意が必要だろう。その期間は3年だ。

 3年経過後に住み続けたい場合は、再契約となるのだが、家賃設定は新たに決められる。だから、アフォーダブル住宅として割安な家賃が担保されるのは12年目まで、もしくは13年目(途中で賃借人が変わった場合)までということになると考えられる。

 ずっと住み続けることができるわけではないのだ。

 東京都アフォーダブル住宅は18歳未満までの子供を育てる世帯を対象としているため、12年程度でも十分という発想なのか。

 それでは、官民連携ファンドといっても、民間は本腰を入れて取り組むことはできないように感じてしまうのである。

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