2026 宅地建物取引士受験セミナー (23)
住宅新報 2026年6月23日 号 9面

【問題3-11】
Aが平成4年8月、Bに土地を賃貸し、Bがその土地上に甲建物を所有している場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、AB間で存続期間は30年と約定している。
(1)A借地借家法第23条第1項(建物譲渡特約付定期借地権に関する規定)による建物譲渡特約によって借地権が消滅した後、Bが甲建物の使用を継続している場合に、AはBが甲建物の使用の継続を請求すれば、甲建物の明渡しを請求することができない。
(2)Bが甲建物を第三者Cに譲渡しようとする場合に、Cが借地権を取得してもAに不利となるおそれがないにもかかわらず、Aがその借地権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、Cの申立てにより、Aの承諾に代わる許可を与えることができる。
(3)Aは弁済期が到来した最後の1年分の地代等について、甲建物の上に先取特権を有する。
(4)契約の締結から25年経過後、Bが自ら甲建物を取り壊して、残存期間を超えて存続する建物を築造した場合、あらかじめAの承諾を得ていたときは、借地権は、Aが承諾した日から10年間存続する。
【問題3-12】
AとBとの間で、Aが所有する甲建物をBが賃借する旨の契約(以下この問において「本件契約」という)を締結した場合における次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)AB間で期間満了により本件契約が終了する際に、BがAの同意を得て甲建物に付加した造作の造作買取請求をすることができない旨の特約をすることができない。
(2)AB間で本件契約の存続期間を10月としたときは、期間の定めのない建物の賃貸借とみなされ、Aは正当の事由があれば、いつでも解約の申入れをすることができ、解約の申入れの日から3月を経過すると本件契約は終了する。
(3)Aが賃料増額請求権を行使してAB間に協議が調わない場合、BはAの請求額を支払わなければならないが、賃料増額の裁判で正当とされた賃料額を既払額が超えるときは、Aは超過額に年1割の利息を付してBに返還しなければならない。
(4)甲建物の修繕が必要である場合において、BがAに修繕が必要である旨を通知したにもかかわらず、Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、Bはその修繕をすることができる。
【問題3-13】
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)集会の招集通知は、少なくとも会日の1週間前までに、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各区分所有者(議決権を有しないものを除く)に発しなければならないが、この期間は規約で伸縮することができる。
(2)集会では、この法で集会決議について特別の定数が定められている事項を除き、規約で定めれば、あらかじめ通知した事項以外についても決議することができる。
(3)区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して、意見を述べることはできるが議決権を行使することはできない。
(4)集会の議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の2人が署名しなければならない。
【問題3-14】
不動産登記に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)表題部所有者の住所についての変更の登記は、表題部所有者以外の者も、申請することができる。
(2)抵当権設定登記のある土地の分筆の登記の申請は、原則として抵当権者の承諾を得なければ行うことができない。
(3)所有権の登記名義人が相互に異なる土地についても合筆の登記をすることができる。
(4)所有権の登記がある二筆の土地の合筆登記を申請する場合、そのいずれか一筆の土地についての所有権の登記名義人の登記識別情報を登記所に提供しなければならない。
【問題3-15】
国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)Aが所有する市街化調整区域内の土地5000m2とBが所有する都市計画区域外の土地10,000m2を交換した場合、Aのみが事後届出をしなければならない。
(2)個人Cが所有する市街化区域の3000m2の土地を、個人Dが相続により取得した場合、Dは事後届出を行う必要はない。
(3)市街化区域内に所在する農地法第3条第1項の許可を受けた面積2,000m2の農地を購入した者は、事後届出をしなければならない。
(4)停止条件付きの土地売買等の契約を締結した場合、当該条件が成就日から起算して2週間以内に、事後届出をしなければならない。
【問題3-11】 正 解 (1)
(1)は正しく、正解。
建物譲渡特約付借地権が、その特約により消滅した場合、その借地権者又は建物賃借人でその消滅後建物の使用を継続するものが請求をしたときは、請求の時にその建物につき、その借地権者又は建物賃借人との間で期間の定めのない賃貸借がされたものとみなす(借地借家法24条2項)。借地権設定者は、建物の明渡しを請求することはできない。
(2)は誤り。
この場合、裁判所は、借地権者Bの申立てにより、Aの承諾に代わる許可を与えることができる。同法19条1項。
(3)は誤り。
Aは弁済期が到来した最後の2年分の地代等について、甲建物の上に先取特権を有する。同法12条1項。
(4)は誤り。
この場合、借地権設定者(地主)の承諾がある場合に限り、借地権は、承諾日又は築造日のいずれか早い日から20年間存続する。同法7条1項。つまり、借地期間が「延長」されることになる。そして、「滅失」には、借地権者又は転借地権者自身による建物の取り壊しも含まれることに注意。同法7条1項。
【問題3-12】 正 解 (4)
(1)は誤り。
造作買取請求の規定は任意規定である。したがって、造作買取請求をすることができない旨の特約をすることができる。借地借家法33条、37条。
(2)は誤り。
期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる(借地借家法29条)。この場合、賃貸人が正当事由のある解約の申入れをすると解約の申入れの日から6月を経過することによって賃貸借は終了する。同法27条、28条。
(3)は誤り。
借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の賃料を支払えば足りる。同法32条2項。
(4)は正しく、正解。
賃借物の修繕が必要である場合において、賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、Aが相当の期間内に必要な修繕をしないときは、賃借人はその修繕をすることができる。民法607条の2。
【問題3-13】 正 解 (1)
(1)は誤りで、正解。
この期間は規約で伸ばすことができるが縮めることはできない。区分所有法35条1項。
(2)は正しい。
原則として、集会では、あらかじめ通知した事項についてのみ決議できる。しかし、特別決議事項を除き、規約で別段の定めをすれば、通知した事項以外でも決議することができる。同法37条。
(3)は正しい。
区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることはできるが、議決権を行使することはできない。同法44条1項。
(4)は正しい。
議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の2人がこれに署名しなければならない。同法42条3項。
【問題3-14】 正 解 (4)
(1)は誤り。
表題部所有者の氏名若しくは名称又は住所についての変更の登記又は更正の登記は、表題部所有者以外の者は申請することができない。不動産登記法31条。
(2)は誤り。
抵当権設定登記のある土地の分筆の登記を申請する場合、原則として抵当権者の承諾は必要ない。この場合、登記官は共同担保目録を作成しなければならない。不動産登記規則102条。
(3)は誤り。
所有権の登記名義人が相互に異なる土地については合筆の登記をすることができない。同法41条3号。
(4)は正しく、正解。
所有権の登記がある二筆の土地の合筆登記を申請する場合には、いれかの一筆の土地について所有権の登記名義人の登記識別情報を提供しなければならない。同法22条、登記令8条2項1号。
【問題3-15】 正 解 (2)
(1)は誤り。
A及びBは、それぞれ届出面積以上の土地を取得しており、事後届出をしなければならない。国土利用計画法23条1項、2項1号ロ、ハ。
(2)は正しく、正解。
相続は、土地取引の届出を要する「土地売買の契約」に該当しないので届け出をする必要はない。同法23条1項。
(3)は誤り。
市街化区域では、2,000m2以上の土地が事後届出は必要な面積であるが、農地法3条の許可を受けた場合には事後届出は不要である。なお、同法5条の許可を受けた場合には事後届出をしなければならないことに注意。国土利用計画法施行令17条1号、6条7号。
(4)は誤り。
停止条件付き売買契約は土地売買等の契約に該当するので、その契約を締結した日から起算して2週間以内に事後届出をしなければならない(同法23条1項)。なお、条件の成就は土地売買等の契約に該当しないので、条件の成就後の届出は不要であることに注意。
























