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住宅新報 2026年6月16日 号 9面

連載: 2026宅地建物取引士受験セミナー

資格・実務
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【問題3-6】

 不動産の物権変動の対抗要件に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

(1)AがBに対し、自己が所有する土地を売却し移転登記も完了した後、Bの債務不履行を理由に適法に当該売買契約を解除した場合、Aはその旨の登記がなければ、当該解除後に当該土地をBから取得して所有権移転登記を受けたいわゆる背信的悪意者でないCに対し、当該土地の所有権を主張することができない。

(2)Aが、Dと各2分の1の共有持分で土地を共同相続した後に、DがAに断ることなく単独で当該土地の所有権を相続取得した旨の登記をした場合、Aはその共同相続の登記がなくても、共同相続後に当該土地をDから取得して所有権移転登記を経たEに自己の持分権を主張することができる。

(3)Aが、Fに対し、自己が所有する建物を売却したが移転登記完了前に死亡した場合、Fは、Aの相続人Gに対し、移転登記がなければ、当該建物の所有権を主張することができない。

(4)Aは、H所有の甲土地につき、時効により所有権を取得した場合、時効完成後にHから甲土地を購入して移転登記を備えたⅠに対し、時効による所有権の取得を主張することができない。

【問題3-7】

 AがBに対する債権をCに譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

(1)Aが債権の譲渡の意思表示をした時にBに対する債権が現に発生していない場合でも、AからCへの債権譲渡は有効である。

(2)AとBが債権の譲渡を禁止する旨の意思表示をした場合に、その意思表示を過失によって知らなかったCに対してBは債権の履行を拒むことができる。

(3)Aが、CとDとに二重に譲渡し、それぞれについて確定日付のある証書で譲渡通知をした場合、Cに係る通知の確定日付がDに係るものより早ければ、Dに係る通知がCに係る通知より先にBに到達したときでも、CはDに優先して権利を行使することができる。

(4)AがBに譲渡の通知をしない場合、CはAに代位して譲渡の通知をすることができる。

【問題3-8】

 宅地建物取引業者A社の被用者Bが勤務中にA社所有の車を運転し、営業活動のため得意先に向かっている途中で交通事故を起こし、歩いていたCに危害を加えた場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

(1)Bの不法行為について共同して不法行為を行ったDがいる場合、A社は、BとDの過失割合に応じて、Cに対する損害賠償責任を免れることができる。

(2)A社の代理人としてBを監督していたEに、Bの監督について過失があった場合、Cは、Eに対してのみ不法行為による損害賠償を請求することができる。

(3)Cが幼児である場合でも、被害者側に過失があるときは、過失相殺を認め、賠償額が減額される場合がある。

(4)BがCに対してBの不法行為による損害の全額を賠償した場合、Bは、その全額をA社に対し求償権を行使することができる。

【問題3-9】

 Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された場合の売主の担保責任に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

(1)Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合でも、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転できないときは、BはAに対して損害賠償を請求することができる。

(2)Bが、甲土地がCの所有物であることを知りながら本件契約を締結した場合でも、Aが甲土地の所有権を取得してBに移転できないときは、Bは、本件契約を解除することができる。

(3)Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知らずに本件契約を締結した場合に限り、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失い損害を受けたときは、BはAに対して損害賠償を請求することができる。

(4)Bが、A所有の甲土地が抵当権の目的となっていることを知りながら本件契約を締結した場合でも、当該抵当権の実行によってBが甲土地の所有権を失ったときは、Bは、本件契約を解除することができる。

【問題3-10】

 契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

(1)AB間でB所有の土地について売買契約が締結され、AがBに手付を交付した場合、Bが履行に着手する前であっても、Aは自ら履行に着手した後は、手付を放棄してAB間の契約を解除することができない。

(2)解除後の原状回復において、AがBに返還すべき金銭があるときは、Aはその受領の時から利息を付さなければならない。

(3)AがB及びCと締結した契約を解除する場合、AはBのみに対して解除の意思表示をすることができない。

(4)Aを贈与者、Bを受増者としてAB間で贈与契約を書面によらないで締結した場合、A及びBはその契約を解除することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りではない。

 

 

【問題3-6】 正 解 (3)

(1)は正しい。

 解除による効果は、その登記をしなければ、解除後、その土地を取得した第三者に対抗することができない(大判昭35.11.29)。民法177条。

(2)は正しい。

 共同相続人の一人が、相続財産に属する不動産につき、勝手に単独所有権の登記をして当該不動産を第三者に譲渡した場合、他の共同相続人は、登記なくして自己の相続持分の取得を当該第三者に主張することができる(最判昭38.2.22)。

(3)は誤りで、正解。

 相続により、被相続人の権利義務は全面的に相続人に移転する(同法896条本文)。したがって、被相続人Aの売主たる地位は全面的にGに承継され、Fは登記がなくても建物の所有権を主張することができる。同法177条参照。

(4)は正しい。

 時効完成後の第三者に対しては、登記がない限り時効による所有権の取得を主張することができない。同法177条、最判昭33.8.28。

【問題3-7】 正 解 (1)

(1)は正しく、正解。

 債権の譲渡は、その意思表示の時に現に発生していることを要しない。したがって、AからCへの債権譲渡は有効である。民法466条の6第1項。

(2)は誤り。

 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する意思表示(譲渡制限の意思表示)をしたときであっても、債権の譲渡をすることができる。この場合において譲渡制限の意思表示がなされたことを知り又は「重大な過失」によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができる。同法466条2項、3項。

(3)は誤り。

 指名債権が二重に譲渡された場合に確定日付のある通知、承諾が二つ以上あるときの譲受人相互間の優劣は、確定日付のある通知が債務者に到達した日時又は確定日付のある債務者の承諾の日時の先後によって決すべきである(最判昭49.3.7)。同法467条。

(4)は誤り。

 債権譲渡の通知は、譲渡人から債務者になされなければならず、債権の譲受人は代位して通知することは許されない(大判昭.10.10)。同法467条1項。

【問題3-8】 正 解 (3)

(1)は誤り。

 共同不法行為の場合、それぞれの不法行為者の責任は連帯責任であり、各自が損害全部について賠償義務を負担する。結果発生に対する寄与の割合をもって損害額を案分し、責任を負うべき損害額を限定することは許されない(最判平13.3.13)。民法719条1項。

(2)は誤り。

 代理監督者の選任・監督の過失は、これを任せていた使用者の過失と同視され、使用者責任を追及されることになる。なお、この場合、代理監督者も責任を免れない。同法715条2項。

(3)は正しく、正解。

 幼児の能力は過失相殺では考慮しないが、幼児と身分上・生活関係上一体にある者(親など)に過失が認められる場合には、「被害者側」の過失として、過失相殺を認め、賠償額が減額される場合がある(最判昭42.6.27)、同法722条2項。

(4)は誤り。

 被用者が被害者に損害の全額の賠償をしたときは、公平な分担という見地から、使用者に対して相当と認められる額の求償権を行使することができる(同法715条3項)。この場合、信義側上、相当と認められる限度において求償が可能となる。最判令2.2.8参照。

【問題3-9】 正 解 (3)

(1)は正しい。

 他人の物を売買の目的とした場合、売主がその物を取得して買主に移転できないときは、買主は悪意であっても、売主の債務不履行責任の追及として、損害賠償を請求することができる。民法564条。

(2)は正しい。

 他人の物を売買の目的とした場合、売主がその物を取得して買主に移転できないときは、買主は悪意であっても、売買契約を解除することができる。同法564条、541条、542条。

(3)は誤りで、正解。

 売買の目的物に設定されていた抵当権の実行により買主が当該目的物の所有権を失い、損害を受けたときは、買主は,悪意であっても、売主の債務不履行責任の追及として、損害賠償を請求することができる。同法415条。

(4)は正しい。

 売買の目的物に設定されていた抵当権の実行により買主が当該目的物の所有権を失い、損害を受けたときは、買主は、悪意であっても、売主の債務不履行責任の追及として、売買契約を解除することができる。同法542条。

【問題3-10】 正 解 (1)

(1)は誤りで、正解。

 自ら履行に着手した場合でも、相手方が履行に着手するまでは契約を解除することができる(民法557条)。したがって、Bが履行に着手する前であれば、Aは自ら履行に着手した後も、手付を放棄してBとの契約を解除することができる。

(2)は正しい。

 解除権が行使されたときは、各当事者は、それぞれが原状回復の義務を負い、返還すべき金銭がある場合には、その受領の時から利息を付さなければならない。同法545条2項。

(3)は正しい。

 当事者の一方が数人ある場合、契約の解除はその全員より又はその全員に対してのみ、することができる。同法544条1項。

(4)は正しい。

 書面によらない贈与は、各当事者が解除することができる。ただし、履行が終わった部分はこの限りではない。同法550条。

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