三菱地所レジデンス 明嵐二朗新社長に聞く 「いい時こそ次の準備を」 良質賃貸やリノベで 本分は価値ある街づくり
住宅新報 2026年6月2日 号 4面
――中東情勢による住宅資材への影響は。
「今、施工中現場が全国で50件超あるが、現時点では工期が延びるという現場はない。ただ、情勢は刻一刻と変わる。注視していく」
――価格高騰が続いている。住宅取得者の属性にはどのような変化が。
「一つは株や債券などの金融資産を持った方々の予算が格段に上がったと感じる。一方そういう金融資産を持っていない方々の変化として顕著なのは、パワーカップルが急激に増えていること。私は11年から16年まで当社におり、その前も住宅事業をやっていたが、その頃にペアローンを組む世帯は全体の数%だったが、今はかなり増えている」
――住宅価格高騰で賃貸から抜け出せない人も増えている。良質なファミリー向け賃貸住宅供給を増やすことは今後可能か。
「知恵の出しどころだと思う。行政などとも連携しながら、郊外でそういったものが供給できないかと考えている。再開発などで郊外の街に新たな魅力づけをしていくことこそディベロッパーの仕事だ。都心でも既存アセットをうまく活用するなどの方法がある。まだ発表できる案件はないが、今後の大きな課題だと思っている」
――賃貸住宅市場では近年、職住一体型や入居者コミュニティー形成型など革命的変化が訪れている。
――「賃貸住宅ブランド『ザ・パークハビオ』については、本当の競争優位性をもう1回見直そうと取り組んできた。間取りや仕様、共用部の作り込みなど細かい気遣いの積み重ねをしている。『その瞬間に、心がはずむ』というコンセプトを体現する住まいづくりに取り組んでいる。そういう意味で商品企画やモノづくりを極めていこうと思っている」
――分譲マンションの今後については。
「工事費がここまで上がってくると、新築でなくてもいいのではないかという発想もある。リノベーションとかコンバージョンとか。今あるものを上手に使えばいいのではないか。だから当社ではリノベーション事業『リノレジ』という買い取り再販を展開している。そこは大きな社会的意義もあると思っている。設備機器も取り換え、しかも2年間の保証を付け、認定中古車ではないが、安心して買ってもらえるような商品だ。非常に意義の大きいことだと思う」
――都心にこだわらないという発想は。
「地方都市、近郊都市、首都圏近郊も含めてまだまだ磨けば光るところがたくさんある。ディベロッパーとして何が出来るか、今、虎視眈々と頭の中で妄想しているが、あまり話すと真似されるのでまだ言えない(笑)」
――ヒントを。
「東京からそう遠くなくても自然豊かで、食べ物もおいしくて、文化もある魅力的な街がたくさんある。そこで行政と組んで大規模に取り組むという方法はあるのではないか。不動産業として大事なことは街の不動産の価値を上げるということで、それがそこに集う人や暮らしている人の幸せにつながっていく」
――今は不動産業にとって非常によい時代ではないか。
「コロナ明けからマーケットが活況を呈している。確かにオフィスも含めて不動産マーケットは今、堅調だ。しかし、そういう好調な時こそ、次に何を打つのか、将来の姿をどう描くかという術を用意しておくことが大事だと考えている」
――金利上昇の影響は。
「金利は貸出金利だけでなく、審査金利もある。まだ大きな影響は出てないが、金利が更に上がり、審査が厳格化してくると景色が大きく違ってくる」
――首都圏の新築マンション市場は現在2万戸台で推移しているが今後は。
「基本的に弱含みは避けられない。もはや戸数を追いかける時代ではない。当社は今後5年ぐらいは現行の1500~2000戸のペースでいくと思う。その中で本当にお客様に喜んでもらえる住宅を作ることに専念していく」























