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プレミアム会員限定不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第100回 北海道上川町のエリアリノベーション事例から 〝ひとづくり〟から始まる〝まちづくり〟

住宅新報 2026年5月19日 号 7面

連載: 不動産学の魅力 明海大学不動産学部

売買・賃貸仲介
  • 不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第100回 北海道上川町のエリアリノベーション事例から 〝ひとづくり〟から始まる〝まちづくり〟

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  • 長谷部美羽 不動産学部2年

    2 / 2長谷部美羽 不動産学部2年

 大学の授業の一環で、北海道上川町のエリアリノベーション事例を見学した。

 上川町は層雲峡などの観光資源に恵まれているが、主要な観光地と市街地は約20キロ離れている。そのため、市街地には観光による恩恵が十分に届かないという問題が生じていた。また、少子高齢化の影響により、市街地では事業承継ができなくなった店舗が増えており、地域全体の活性化に向けたエリアリノベーションが必要になっていた。

 まず、町が開設した「PORTO(ポルト)」というまちの交流拠点を見学した。PORTOは移住・観光相談窓口や交流スペース、コワーキングスペースなどを設けた施設である。PORTOの運営者へのヒアリングを通じて、「KAMIKAWORK(カミカワーク)」という面白い取り組みを知ることができた。KAMIKAWORKは町が行っている事業であるが、直接的にまちづくりをするのではなく、まちづくりを担う人材を育てる仕組みになっていた。「ひとづくり」が結果として「まちづくり」につながるという所が興味深かった。

 この仕組みが形になった成功事例に、宿泊施設「ANSHINDO(アンシンドウ)」がある。ここに宿泊もした。ANSHINDOはKAMIKAWORK出身の方が運営しており、地域活性化の拠点としても機能していた。1階のウェルカムスペースには、地域の雑貨を扱うギフトショップや地域の見どころをまとめたマップの展示があり、上川町の魅力を肌で感じられる空間になっていた。またこのスペースは、町内・町外の人の交流スペースにもなっていた。

 これまでは、まちづくりというとリノベーションやまちの活性化のことばかりを考えていたが、今回の経験を通じて、「ひとづくり」から「まちづくり」に発展させる手法を学んだ。実際に、上川町には積極的にまちづくりをしようとする人材が増えてきており、地域全体が少しずつ活性化しているような印象を受けた。

 PORTOやANSHINDOは、古い建物をリノベーションして再生した施設である。エリアリノベーションをするうえでは、まちにある既存不動産資源を再生することも重要であるが、こうした町の再生事業を担う人材に視点を向けられたことが、大きな収穫であった。土地や建物だけでなく、人に焦点を当てた学びができることが、不動産学の魅力だと感じた。

【教員コメント】

 人口減少が進む郊外地域においては、地域活性化を担う人材が現れることを待っている自治体は多い。しかし、そうした人材はなかなか現れないのが実状であろう。これに対して上川町の取組みは、積極的に地域活性化を担う人材を育成することに先進性がある。(藤木亮介)

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