第56回 住宅ジャーナリスト 櫻井幸雄 慧眼を開く 「サンウッドテラス府中八幡町」
住宅新報 2026年5月19日 号 4面
「サンウッドテラス府中八幡町」はこの5月、建物が完成したタイミングで新規販売を開始する東京都下のマンションである。実際の建物を見せて販売を行うのだが、その理由は、実物をみてもらったほうが物件のよさが伝わりやすいと考えられたからだろう。
実際、建物ができあがると、よさが際立つマンションと考えられる。
まず、立地条件がよい。
周辺は静かな住宅地となり、敷地南側が「八幡町幼児公園」に隣接。その先に広い「八幡町運動広場」がある。更に、武蔵国府八幡宮やJRA競馬博物館周辺の緑につながってゆく。
身近に緑が豊富なのだ。
府中競馬場にも近いのだが、そこには遊具をそろえた子供の遊び場があり、競馬の開催日以外も無料で利用できる。更に、競馬場では7月には花火が打ち上げられ、それを間近に眺めることができる。
「サンウッドテラス府中八幡町」では、共用空間としてスカイテラスが設置され、住人は日々緑広がる光景を楽しむことができるし、特等席で花火を満喫することも可能となっている。
更に、天気がよい日には富士山を眺めることもできる。
同マンションは全43戸の規模ながら、外観は変化に富む。加えて、同社のマンションとして初めてオートロックに顔認証システムを採用するといった先進性も備える。
それら特徴の多くは、実際の建物で確認できるし、実際にみてもらったほうがインパクトが増す。
一方で、最寄り駅の京王線東府中駅は駅力が高いとはいいにくい。同駅から徒歩5分と近いのだが、隣に特急停車駅の府中駅があるため、注目度は下がってしまうからだ。
しかし、モノがよい……こういう物件特性であるため、実物を見せて販売を行う方法のほうが効果は上がるだろう。
そもそも、府中駅周辺は商業施設が多く、人気も高いため、新築分譲マンション価格が大きく上昇している。とても手が届かないという購入検討者を呼び込むには、価格とともに環境のよさやデザインのよさが大きな武器となるはずだ。
首都圏郊外部では、販売価格を上げざるを得ないため、外観デザインに力を入れる傾向が出てきた。完成販売に適したマンションが増えているわけだ。
ちなみに、東府中駅周辺では、販売に時間がかかり、建物が完成してから進捗のスピードが上がる事例が目立つ。そのような事例があると、今後、ますまず完成販売が増えてゆくのでは、と思えてしまう。























