2026 宅地建物取引士受験セミナー (17)
住宅新報 2026年5月12日 号 9面

【問題2-31】
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
アAは、マンション2棟を分譲するため、現地にテント張りの出張所を甲県内に設置した場合、営業保証金を追加供託しなければ、当該出張所で売買契約を締結できない。
イAが初めて甲県で宅地建物取引業を営もうとする場合は、営業保証金を金銭等で主たる事務所の最寄りの供託所に供託した後に、甲県知事の免許を受けなければならない。
ウAは、主たる事務所を移転したため、その最寄りの供託所が変更した場合、金銭と有価証券で営業保証金を供託しているときは、金銭については、遅滞なく、営業保証金の保管換えを請求しなければならない。
エAが宅地建物取引業を廃業した場合、廃業の日から10年を経過すれば、還付請求権を有する者に対する公告をすることなく、営業保証金を取り戻すことができる。
(1)一つ (2)二つ (3)三つ (4)なし
【問題2-32】
宅地建物取引業保証協会(以下、「保証協会」という)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)保証協会が必ず行わなければならない必須業務には、取引に関する苦情の解決、宅建士等への研修に実施、及び手付金等保管業務がある。
(2)保証協会は、弁済業務保証金の還付があったときは、当該還付に係る社員に対し、還付があった日から2週間以内に還付額に相当する額を供託所に供託するよう通知しなければならない。
(3)保証協会は、社員が社員の地位を失った場合、当該社員に対して債権を有するときは、その債権の弁済が完了するまで、弁済業務保証金分担金を返還する必要はない。
(4)保証協会は、弁済業務保証金準備金を弁済業務保証金の供託にあててもなお不足するときは、社員に対して、弁済業務保証金分担金の額に応じて、特別弁済業務保証金分担金の納付を通知することができる。
【問題2-33】
宅地建物取引業者Aの業務規制に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)Aは、空き家の所有者の求めに応じて管理業務を行う場合、媒介契約とは別に書面等により締結した契約に基づいて、媒介報酬とは別に、当該管理業務に係る報酬を受け取ることができる。
(2)Aが、契約締結日に、手付金を一部しか用意できなかった買主に対して、残金を複数回に分けて受領すると約束して、契約を誘引する行為は宅地建物取引業法法に違反する。
(3)Aは、宅地の造成に関する工事の完了前においては、当該工事に必要な開発許可(都市計画法29条)の申請をした後でなければ、当該工事に係る宅地の売買に関する広告をしてはならない。
(4)Aは、売買、交換又は貸借の契約に際し、契約が成立するまでの間に、供託所等に係る説明をするようにしなければならず、怠ると指示処分の対象となる。
【問題2-34】
宅地建物取引業者Aが、Bの所有する宅地の売却を依頼され、Bと媒介契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、本問において「一般媒介契約」(甲契約)と
は、専任媒介契約(乙契約)又は専属専任媒介契約(丙契約)でない媒介契約をいうものとする。
(1)AがBと宅地につき甲契約を締結した場合に、AB間の合意により、BがA以外の宅建業者に媒介を依頼する際は、必ずAに通知する旨の特約をしたときは、その特約は有効である。
(2)媒介契約の目的である宅地について売買の申込みがあったとき、Aは、遅滞なく、その旨をBに報告しなければならない旨の規制は、乙契約と丙契約に特有の規制であり、甲契約には及ばない。
(3)乙契約と丙契約においては、指定流通機構に「物件の取引の申込みの受付に関する状況」を登録しなければならず、その登録内容が事実と異なる場合には指示処分の対象となる。
(4)Aが、Bと宅地につき乙契約を締結したが、その有効期間が5か月、業務処理状況の報告義務が15日に1回以上となっていた場合、これらの特約は無効である。
【問題2-35】
宅地建物取引業者Aに関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)A(国土交通大臣免許)が宅地建物取引業法第50条2項の規定に基づき業務を行う場所の届出を行う場合、その所在地を管轄する都道府県知事を経由して国土交通大臣に、所在地、業務内容、業務を行う期間、専任の宅建士の氏名及び住所を届け出る。
(2)Aは、事務所及びその業務を行う一定の場所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げなければならず、また、事務所の場合には標識にそこに置かれている専任の宅地建物取引士の数を表示しなければならない。
(3)Aは、事務所ごとに、従業者名簿を設置しなければならず、そこには従業者の氏名・住所、その事務所の従業者となった年月日、宅建士であるか否か等が記載される。
(4)Aは、事務所ごとに帳簿を備え、取引のあったつど、取引の年月日、宅地建物の所在地及び面積、取引態様等を記載しなければならず、また、取引関係者から請求があったときは、閲覧させなければならない。
【問題2-31】 正 解 (4)
アは誤り。
本肢のような期間限定でテント張りの案内所は事務所に該当しないので、追加供託は不要である。宅地建物取引業法26条。
イは誤り。
Aは、甲県知事免許を取得した後に、営業保証金を供託する。同法25条4項。
ウは誤り。
保管換えは営業保証金を全額金銭のみで供託している場合の手続きである(同法29条1項)。本肢のように、有価証券を併用している場合には、いったん二重供託をしなければならない。
エは誤り。
10年の起算日は免許の失効日であるが、それは廃業の日ではなく、「廃業の届出があった日」である。同法30条1項。
すべて誤りであり、正解は(4)である。
【問題2-32】 正 解 (3)
(1)は誤り。
手付金等保管業務(任意業務)ではなく、弁済業務である。宅地建物取引業法64条3。
(2)は誤り。
還付があった場合、保証協会は、社員に対して還付充当金を保証協会に納付するよう通知し、社員は、その通知を受けた日から2週間以内に還付充当金を保証協会に納付しなければならない。同法64条の10。
(3)は正しく、正解。
社員に対する債権を確実に回収し、保証協会の財政の健全化を図る趣旨である。同法64条の11第3項。
(4)は誤り。
この不足があるとき、保証協会は、社員に対して、弁済業務保証金分担金の額に応じて、特別弁済業務保証金分担金の納付を通知「しなければならない」。同法64条の12第3項。
【問題2-33】 正 解 (3)
(1)は正しい。
空き家等の対策の一つとして、媒介業務にとどまらない役割を発揮すること(関連業務)が宅地建物取引業者等に強く期待されている。具体的には、空き家の管理業務や不動産コンサルティング業務がある。これらの関連業務と媒介契約との区分を明確にし、書面等により締結した契約に基づいて、媒介報酬とは別に報酬を受領しても法の報酬制限(宅地建物取引業法46条2項)に反しない。解釈と運用。
(2)は正しい。
手付金の分割受領は、手付について信用の供与をすることによる契約の誘引行為に該当するので、許されない(同法47号3号)。なお、残金分を減額して誘引行為は信用の供与には該当しない。
(3)は誤りで、正解。
未完成物件については、工事に必要な許可等の処分があった後でなければ広告してはならない。同法33条。申請しただけでは足りない。
(4)は正しい。
説明するようにしなければならない、と義務の程度は弱い。したがって、義務違反については、指示処分の対象になるだけである。同法35条の2、65条
【問題2-34】 正 解 (2)
(1)は正しい。
そもそも一般媒介契約(甲契約)には、明示型(他に依頼した宅建業者名を明らかにする義務のあるタイプ)と非明示型が認められているのであるから、本肢の特約は明示型として有効である。宅地建物取引業法34条の2第1項3号。
(2)は誤りで、正解。
この規制は、甲・乙・丙契約に共通する規制である。同法34条の2第8項。
(3)は正しい。
売主が簡単に自己物件の取引状況を確認できるよう、「物件の取引の申込みの受付に関する状況」が指定流通機構への登録事項になっている。施行規則15条の10~15条の13。
(4)は正しい。
専任媒介の場合、3カ月を超える有効期間は3カ月に短縮される。また、業務処理状況の報告義務については、2週間(14日)に1回以上必要であるが、これと異なる本肢の特約は、依頼者に不利であり、無効である。同法34条の2。
【問題2-35】 正 解 (2)
(1)は誤り。
免許業者が国土交通大臣の場合も、管轄知事経由ではなく、直接、国土交通大臣に届け出る。ただし、専任の宅建士の住所は、届出事項ではない。宅地建物取引業法50条2項、施行規則19条3項。
(2)は正しく、正解。
事務所に置かれている専任の宅建士の氏名は、標識には表示されない。同法50条1項、施行規則19条。
(3)は誤り。
従業者名簿には従業者の氏名、その事務所の従業者となった年月日、従業者でなくなった年月日、及び宅建士であるか否か等が記載されるが、従業者の住所は記載されない。同法48条3項。
(4)は誤り。
帳簿の記載事項には、本肢に挙げた項目のほかに、取引の相手方の氏名・住所、取引金額及び報酬額などを記載しなければならない。情報保護の必要性が高く、閲覧させる義務はない。施行規則18条1項。
























