住宅ローン〝不安解消型〟へ (中) 「残価設定」の意義と波紋
住宅新報 2026年5月12日 号 4面

市場に与える影響が注目される(写真は本文と関係ありません)
「特定残価設定ローン保険」は提携金融機関が機構に保険料を払い、不測のローン事故が発生した場合に機構が保険金を支払う制度。残価設定型住宅ローンは前回4月28日号(上)で説明したように毎月元利を支払う通常の「割賦返済ローン」と、一定割合の元金を据え置いてその部分については利息のみを支払う「元金据え置きローン」(ノンリコース型)の2階建て構造となる。双方が保険の対象となる。
特に今回注目されるのは「元金据え置きローン」だ。例えば総融資額の3割が据え置きとすると支払いは利息のみなので、元金はずっと据え置かれたままとなる。そのため、総融資額の7割となる通常の割賦返済ローンを、例えば35年後に完済した場合には、それ以降は据え置いた元金(残価)だけが残ることになる。この残価部分は本人の任意で物件を売却するか、死亡後に相続人が売却して得た資金で返済する。万一、売却価格が残価を下回っても差額は請求されないノンリコースとなる。その場合、金融機関には損失が発生するが支援機構からの保険金が下りる仕組みとなっている。
では、この「元金据え置きローン」の融資額は具体的にはどのように決まるのだろうか。次に掲げる条件の全てを満たす額となる。(1)割賦返済ローンとの融資額合計が1億2000万円以下、(2)融資額合計は所用資金(物件購入価格など)の100%以下、(3)金融機関の担保評価額(建物+土地)の3割以下、(4)戸建て住宅については土地の担保評価額の6割以下。つまり、金融機関による担保評価額が大きく融資額に影響する。ちなみに金融機関の住宅ローンにおける担保評価額は物件に応じて通常は実勢価格の6~8割の範囲に収まるものとみられる。





















