全日、専用ローン提供開始 初月から融資に動き SBIアルヒGと提携
住宅新報 2026年4月28日 号 7面
全日本不動産協会(中村裕昌理事長)が進める金融支援策に関心が集まっている。同協会は、会員向けの積極的なビジネス支援を担う関連団体の全国不動産協会(TRA)とSBIアルヒグループとの提携を通じ、会員向け融資相談窓口「全日ローンコンシェルジュ」と会員限定商品「全日買取再販ローン」の提供を4月1日に開始。3月下旬の情報公開時に、1日で約20件の問い合わせが寄せられ、既に4月中に融資実行を見込む案件も出たという。
今回の取り組みは、(1)金融リテラシーの啓発と安全教育、(2)専用窓口による実務支援、(3)会員限定ローンの提供の3本柱で構成。会員が金融商品や金利変動リスクを正しく理解し、顧客に対して適切な助言を行える体制の構築を目指した。
金利上昇局面への転換を背景に、住宅ローンなどの選択では将来リスクを踏まえた説明が求められる中、会員が顧客に適切な助言を行える体制整備が急務となっている。こうした状況を踏まえ、同協会では金融リテラシーの向上と実務支援の両面から体制を整える。
「ローンコンシェルジュ」は物件仕入れや住宅ローンなどの資金相談を一本化し、最適な借入先を提案する仕組み。複数の金融機関や商品にまたがる手続きの負担を軽減し、会員の業務効率化と提案力向上を図る。
「全日買取再販ローン」は既存住宅のリフォーム再販事業に特化した商品で、仕入資金に加えリフォーム費用や一部諸費用も対象に含められる。融資額は1件500万円~8000万円、1社当たり最大3億円までとし、代表者の連帯保証を不要とするなど、機動的な事業展開を後押しする。対象エリアは関東1都3県、関西2府4県を中心に展開し、その他エリアについても個別審査で対応する。
更に、土地転売や一棟収益物件など幅広い用途に対応する仕入資金ローンや、不動産担保ローンなども組み合わせることで、物件仕入れから運転資金、住宅ローンまでの資金調達をワンストップで支援する体制を整えた。事業の「入口」から「出口」までを金融面でカバーする点が特徴で、従来のように複数の金融機関と個別に交渉する手間を軽減する狙いがある。
取り組みは、単なる資金供給にとどまらない。SBIアルヒグループは「金融は経済の血液」と位置付け、会員の事業活動を下支えする役割を担う考えを示す。金利上昇局面では、従来のように「通りやすいローン」を選ぶだけでなく、将来の返済負担や金利変動リスクを踏まえた提案が求められる。
同グループは、固定金利と変動金利それぞれの特性を踏まえた説明や、長期的な家計リスクを見据えた選択肢提示の重要性を強調。「数十年先のリスクまで見据えた誠実な提案を支えるパートナーでありたい」としている。
同協会では今後、東京都本部の研修会・セミナーなどを通じ、会員に直接訴求するほか、対象の関東1都3県、近畿2府4県の理事会などを回り、地方本部役員への説明機会を設ける計画だ。金融機能の強化を通じて、会員の事業機会拡大とともに、不動産流通の円滑化と消費者保護の両立を目指す。























