第54回 住宅ジャーナリスト櫻井幸雄 慧眼を開く 民泊は家族向け間取りが好都合
住宅新報 2026年4月28日 号 4面

「ブランシエラ札幌すすきの」の続き。
同マンションは全住戸民泊対応で、全住戸は2LDKと3LDKの構成。民泊マンションであれば、1LDK住戸が多くなるのでは、と考えがちだが、ファミリー向けの大型住戸をそろえている。その分、販売価格が高額になり、上層階では1億円を超える住戸も設定されている。しかし、高額住戸も含めて、販売は好調だ。
それは、「180日民泊」の場合、ファミリータイプの間取りがいろいろな意味で好都合であるからだ。
まず、民泊として運用する場合、2LDK、3LDKの間取りであれば家族連れの旅行者に利用してもらえる。北海道旅行は、国内の人も海外の人も家族連れが多くなる。親子4人で、更に祖父母も加えて、6人の団体でやってくることもある。
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その団体客に対応するホテルの客室がないのだ。
札幌市内のホテルの場合、2人で宿泊できるツインやダブルの部屋が半数以上となり、シングルルームを加えると8割以上を占めるとされている。3人で泊まることができる部屋は1割程度で4人部屋は更に少ない。5人以上の宿泊に対応する部屋は皆無に近いので、家族4人以上の旅行者は複数の部屋を利用するしかない。
それでは宿泊費が割高になるし、小さな子供と一緒の場合、楽しみが減ることになる。せっかくなら、家族でワイワイ宿泊したいという場合、札幌中心地に所在し、2LDK、3LDKの民泊は最良の選択となるわけだ。
民泊の場合、「1人1泊1万円」というような料金体系になるため、4人で宿泊してもらえば、1泊当たり4万円、6人ならば6万円となる。経営的にも団体客は大歓迎というわけだ。
「団体で利用するケースが多い」のは、所有者がセカンドハウスとして利用する場合も同じ。息子家族と一緒に6人で利用するとき、そして友人と4人でゴルフ旅行やスキー旅行に出かけるとき、2LDK、3LDKの住戸は都合がよい。つまり、セカンドハウスとしても、利用しやすいわけだ。
以上の理由から、民泊マンションでは、1LDK住戸よりも2LDK、3LDK住戸のほうが好都合となる。そのことを分かる人が多くなったので、「ブランシエラ札幌すすきの」は好調に販売されているわけだ。
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ちなみに、「年180日」の民泊マンションの場合、年間の利回りは4%前後と見込まれている。投資用としては、さほど高い利回りとはいえない。が、これは民泊として活用する経費を除いた利回りである。1年の半分をセカンドハウスとして利用し、残りをこの利回りで活用できるなら、決してわるくない数字といえるだろう。
だから、人気なのである。
このような事例をみると、東京でも「年間180日」の民泊マンションをつくればよいのに、と思ってしまう。昨今、東京のホテルは札幌以上に宿泊費が高額だ。そして、ホテルの予約が取りにくい。なので、東京にセカンドハウスを持ちたい、空いている日を民泊活用したいと思っている地方の経営者はかなり多いはずだ。加えて、東京の中心部では、民泊マンションに適したニッチな土地が多いと考えられるからである。





















