不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第95回 工事現場での騒音規制と限界 総合的な環境配慮の姿勢を
住宅新報 2026年4月7日 号 7面
建設工事の現場では、基礎工事や解体作業、コンクリートの切断など、機械を使用する多様な工程によって騒音と振動が発生する。杭打ち機による打撃音、コンクリートカッターの連続音、バックホウやブルドーザーのエンジン音などが典型で、金属の衝突や機械の振動が原因となり、断続的あるいは継続的に大きな音が周囲の生活環境へ影響を与える。これらの工事騒音は「騒音規制法」によって規制されており、振動を伴う作業の場合は「振動規制法」も適用される。更に、国の基準に加えて自治体ごとに独自の条例が設定されており、地域に応じた詳細なルールが加わることが一般的だ。
国の基準では「特定建設作業」に該当する場合、敷地境界での騒音上限はおおむねね85dBとされており、作業時間帯や連続日数などの制限と併せて運用されている。東京都では「東京都環境確保条例」に基づき、工種ごとに80~85dBの基準が定められ、特に騒音が大きい作業は 85dB以下とされているほか、住居地域では作業時間(朝8時~夕方6時)や期間について国より細かい規制が加わっている。千葉県の条例でも特定建設作業の基準値はおおむね85dBであり、東京都とほぼ同水準である。
これらの数値を日常の音と比較すると、例えば京王線の列車通過時の最大騒音は約80~85dBとされており、建設工事の規制値は「電車が通る瞬間の大きな音」と同程度、またはわずかに大きいといえる。ただし鉄道騒音は通過時だけの一瞬であるのに対し、工事騒音は長時間続く場合が多いため、住民の体感としては工事のほうが強く感じられる傾向がある。
























