リアルゲイト 100年視野に長寿命化 ヒューリックと再生事業拡大
住宅新報 2026年3月17日 号 5面
リアルゲイトは、築古ビルを中心とした不動産再生事業を主力とする。主にスタートアップ企業向けに〝スモールオフィス〟を供給する。企画力や管理・運営力が問われる領域だが、再生の工夫次第で高稼働・高収益が見込める。
例えばレジデンスのオフィス転用や、1階は店舗で上層階をホテルとする複合用途化で収益性を高めてきた。東京の渋谷や目黒、港区エリアを中心に、現在100棟超の物件を企画・運営する。建物の歴史を生かし、新耐震化への改修や増築、エレベーターの新設まで行い、「一棟全体の抜本的な用途変更を含む再生プランづくりは、他社との差別化につながっている」(同社代表取締役の岩本裕氏)。
スタートアップ企業は入れ替わりが比較的早い。入居審査には特有の観点を要する。会議室やラウンジなどの共用部の規模感を含めて、用途や目的に応じた柔軟な活用ニーズに応える必要もある。入居初期費用を抑え、管理運営にも独自のノウハウが必要となる。同社では、中古物件の再生で新築より低廉な賃料設定を可能にし、入居するスタートアップ企業の評価を得ている。ストック活用時代に入った。不動産再生事業に参画するプレーヤーは増えている。「安全・安心に貸すため技術力を磨き続けている。一般的なオフィス街とは異なり、東京・中目黒や池尻などの職住近接エリアにフォーカスしている。再生物件には地域の人も集い、交流する。まちの〝顔〟になるアイデアを注入している」(岩本氏)。
今回、同社が『100年プロジェクト』を立ち上げた背景には、建物を長く使い続ける視点の重要性がある。今や中古物件の再生はまちづくりへの貢献になっている。従前は耐震や防災上の観点から、事業者も消費者も、最新技術の〝新築〟に注目してきた。
ただ、「海外では、建物の外観を残して躯体を生かしつつ、内部を最新設備に更新して再生している例は多い。建築技術は飛躍的に進展している。建物を長く使い続ける視点は今後、更に重要になっていく」(岩本氏)。現在、同社が東京都内で保有する築56年~築62年の3つの物件を『100年プロジェクト』のモデルケースとし、シェアハウスをホテルに、オフィスをホテル・商業施設に、レジデンスをオフィス・商業施設に用途転換する再生を始めている。
都心5区を対象に実施した同社の調査によると、商業ビルの55%は法定耐用年数(50年)を満たさず解体され、新築などが実施される。一方、既存ビルの構造体を維持する再生は同規模・同用途の新築開発と比べ、約79%のCO2(二酸化炭素)削減効果があるという。建物自体の寿命とは異なる税法上の耐用年数の概念の見直しが必要ではないのか。建築費が高騰する中、高寿命化の視点は、サステナブルな社会の実現にもつながっていく。「大手ディベロッパーには新築開発と並ぶ選択肢として位置付けてもらい、協業によって再生事業を推進していく」(岩本氏)。
まちづくりを変革
その一環として既存不動産の取得・再生事業を目的に、2月には、ヒューリック(東京都中央区)と業務提携し、合弁会社『HistoRy合同会社』を設立している。
両社のスピード感を生かしながら、都心部を中心とした中型~大型の築古不動産を共同で取得し、再生やリノベーションを行う。出口戦略として売却も視野に入れている。
人口が減少し、人手不足が重なれば、つくり続けることには限界がある。「大手企業を巻き込み、日本のまちづくりを変革したい。今回のプロジェクトは、豊かな街並みを形成する社会貢献でもある。自社の成長にもつなげたい」(岩本氏)と展望している。























