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スタンダード会員限定首都圏「住みたい街」ランキング相次ぎ発表 実需は外縁部へ広がり 上位ほぼ変動なし

住宅新報 2026年3月3日 号 7面

売買・賃貸仲介

 首都圏の住宅ニーズを示す二つの「住みたい街ランキング2026」が相次いで公表された。LIFULLが2025年の1年間のサイト上へ掲載された物件への問い合わせ件数を「借りて住みたい街」と「買って住みたい街」でそれぞれ駅別に集計したランキングでは、「借りて住みたい街」1位は2年連続で葛西(東京都江戸川区)、「買って住みたい街」は湯河原(神奈川県湯河原町)が初の首位だった。一方、リクルートが公表した総合ランキングは9年連続で横浜だった。

 LIFULLの2位は「借りて住みたい街」「買って住みたい街」のいずれも八王子(東京都八王子市)だったほか、3位は「借りて住みたい街」が大宮(さいたま市大宮区)、「買って住みたい街」が八街(千葉県八街市)だった。

 「借りて住みたい街」は、葛西が東京メトロ東西線で大手町まで約20分というアクセスに対し40㎡換算で約9万円台の賃料水準が支持を集めたほか、八王子や大宮も交通結節点としての機能を備えつつ、都心より賃料が抑えられている点が評価された。

 また、方南町(東京都杉並区)が前年の146位から80位へ最も大きく順位を上げており、東京メトロ丸ノ内線では新宿直通ながら山手線内側より賃料が低い「ずらし駅」への関心の高まりがうかがえた。

 「買って住みたい街」では初めて上位3位を郊外駅が占めた。東京から約100キロ圏の湯河原はJR東海道本線で約90分、新幹線利用で約60分という立地に加え、中古住宅価格が比較的抑えられているほか、八街も1000万円前後の中古戸建てが流通するなど価格面の優位性がある。都心6区では中古マンション平均価格が1億円台後半に達する中で、実需層の問い合わせは外縁部へ広がる結果となった。

大宮が双方で上位3位に 23区北側への関心高まる

 一方、リクルートの「SUUMO住みたい街ランキング2026」では2位が大宮、3位が吉祥寺と続き、いずれも3年連続だったほか、上位10位はほぼ変化がなく、恵比寿、東京、池袋、品川など都心・準都心エリアが上位を占めた。更に上位30位でも前年から過去最高位を更新したのは、船橋、舞浜、つくばの3駅にとどまるなど、上位駅は高止まり傾向が見られた。

 得点が上がったのは高輪ゲートウェイ、飯田橋、センター北など。再開発や企業移転など具体的な街の変化が評価に反映された。自治体別では東京都北区が順位を大幅に上げるなど、23区北側エリアへの関心の高まりも示された。

 

理想は都心、行動は郊外 二層化からニーズ再編へ

 両者のランキングは共に、価格高騰の影響から、首都圏の住宅市場が二層化から再編局面へ移行している傾向が見られる。

 問い合わせ数という行動データを基にしたLIFULLのランキングでは、賃貸では通勤利便性を確保しつつ家賃を抑える「ずらし駅」の需要が強い一方、購入部門では湯河原や八街が上位に入り、東京から約100㌔圏まで選択が拡大したことについて、同社のチーフアナリストの中山登志朗LIFULL HOME'S総研副所長は都心6区の中古マンション平均価格が1億円台後半に達していることなどを背景に、「価格が急上昇したことで住宅選択を見直す動きが強まっている」との見方を示し、「郊外だけに全員が移るわけではないが、メガトレンドとして郊外化は発生している」と指摘。更に、掲載平均賃料と実際の問い合わせ賃料の間に乖離が生じている現状を示し、「価格制約が実需を外へ押し広げている」と分析した。

 一方、リクルートの池本洋一SUUMO編集長は、同社のデータで横浜が9年連続首位を維持し、トップ10の顔ぶれが大きく変わらない要因を、「再開発や企業集積など街の総合力が評価されている」とし、「価格の影響はあるが、価格だけで街が選ばれているわけではない」と述べた。また、価格については、「住居費は都心から南へ、北へ、東へと波及する構造がある」としつつ、「都心のブランド力は依然として強い」と、都心起点の構造が維持されているとの見方を示した。同社のデータはアンケートによる意向データを基にしており、双方のデータからは、それぞれ行動データが現実を、意向データは理想を示す傾向が見られた。

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