AndDoホールディングス 冨永社長に聞く 「インフレは追い風」 中古戸建て再販を拡張
住宅新報 2026年3月3日 号 7面
三本柱で次段階へ
不動産市況をめぐる評価が割れる中、冨永社長は「当社は1年前に転換を図り、いまは飛躍前の助走段階にある」と自社のフェーズを説明する。同社は成長の柱を「不動産売買」「リバースモーゲージ保証」「フランチャイズ(FC)」の三本に置く。売買を中核に据えつつ、保証で金融分野を補完し、全国ネットワークで事業基盤を支える構図だ。
三本柱は独立した事業ではない。不動産売買で築いた顧客接点や相場データが保証事業の精度向上につながり、FC網で蓄積される地域情報が仕入れ力を高める。更に保証商品を持つことで、高齢者層の売却相談をグループ内に取り込める体制も整う。「売買と金融は切り離せない。相互補完で強みを発揮する」と語る。
中軸となる不動産売買事業では、中古住宅の買い取り再販を強化。営業人員を増員し仕入れを拡大する一方、在庫は微増にとどまる。冨永社長は「回転率が上がっている」とみている。インフレによる新築価格の上昇は実需層の購入ハードルを高めるが、その分、中古へのシフトが進む。「このタイミングより早くても早すぎたし、遅ければ機を逸していた。インフレは追い風だ」と強調する。26年以降は営業人員の拡充と在庫回転率の向上を注視する。
同社の成長キーワードを問うと、「採用」と即答する。三本柱のいずれも人材が成長エンジンだ。不動産売買事業は上期、期ズレ案件や採用増に伴う人件費増など先行投資の影響もあり、減益となった。ただ、通期では経常利益は順調という。
保証残高300億円超に
リバースモーゲージ保証事業では金融機関との連携が進んだ。新規保証は堅調に推移し、保証残高は300億円超へと拡大している。
冨永社長は「金融機関は査定を本業としない。不動産事業者が相場を的確に示し、出口を支えるのが役割」と語る。保証は単なる金融商品ではなく、空き家リスクの抑制や住み替え円滑化にもつながる仕組みと位置付ける。
FC網730店の強み
FC事業では、全国約730店舗のネットワークが強みとなる。最前線で顧客ニーズを把握し、成約情報の蓄積により査定精度を高める。仕入れ・販売双方の窓口機能も担う。退会加盟店数を抑制し、スーパーバイザー増員による支援強化を進める。30年6月期を最終とする5カ年の中計では960店舗体制を目指し、大阪や1都3県を重点エリアとする。
「中古戸建て×買取再販×地方」は中長期戦略の柱だ。資本力に限界のある地域事業者に代わり、グループの資金体力を生かす。相場形成が明確で流通が見込めるエリアに集中し、西日本にも注目する。加盟店との連携による仕入れ強化も勝ち筋の一つだ。
冨永社長は「不動産業が金融分野にも踏み込み、よりオープンなマーケットをつくるべきだ」と語る。売買、保証、FCの三位一体で基盤を固め、次の成長段階へ踏み出す構えだ。

























