不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第89回 中国からの留学生として 日本の都市公園における高齢者利用
住宅新報 2026年2月24日 号 7面
日本に来て一つ気づいたのは、通学や買い物の途中、あるいは散歩の際にも、多くの高齢者の姿を見かけることだった。なかでも、私が日本に来てから特に印象に残っているのが、都市公園で過ごす高齢者の多さである。平日の昼間、公園を歩いていると、散歩をする人、ベンチに腰掛けて休憩する人、知人と静かに会話を楽しむ人など、思い思いの時間を過ごす姿が自然に目に入ってくる。
中国からの留学生として日本で不動産学を学びながら生活する中で、こうした何気ない風景はとても新鮮に感じられた。中国では高齢者がラジオ体操や太極拳などの集団活動を行う場所という印象が強かったため、日本の公園で高齢者が日常的に集い、落ち着いた時間を過ごしている様子は、日本の暮らし方を象徴する一場面のようにも思えた。
実際に公園を歩いてみると、段差の少ない園路や座りやすいベンチ、清潔に保たれたトイレなど、高齢者が無理なく利用できる工夫が随所に見られる。こうした環境は、特別な準備をしなくても気軽に立ち寄れる安心感につながっているように感じられた。公園は長時間滞在する場所というよりも、少し立ち寄って体を動かしたり、外の空気を感じたりする場所として、日常生活の中に自然に溶け込んでいるように思われる。
研究テーマとして高齢者の公園利用を選び、調査、分析に取り組んでいる。公園のつくりも大事だが、周辺環境も大きく影響としていることに気付いた。公園だけを利用するのではなく、買い物や通院ついでの立ち寄りも多そうである。
今後、中国においても高齢化は更に進んでいくと考えられている。日本で目にした高齢者と都市公園との関わり方は、これからの社会を考える上で、一つのヒントになるのではないだろうか。留学生として日本で過ごす日々の中で感じたこうした気付きを、今後の学びや将来の進路を考える際にも大切にしていきたい。
【教員コメント】
中国に比べ、高齢化が先に進んだ日本では高齢者の公園利用は活発に見えるかもしれない。子供の遊び場としてのイメージが強かった公園は、防災拠点、緑地としての基本的な機能は維持しながらも、幅広い世代にとっての生活空間に変わりつつある。(齋藤千尋)


























