TERASS 井上取締役COOに聞く 裁量と管理の両立 エージェント型で設計
住宅新報 2026年2月3日 号 6面

――テラスが考える「不動産エージェント」とはどのような存在か。
不動産仲介のキャリアは、会社に勤めるか、独立開業するかの二択で語られてきた。テラスが目指しているのは、その間に位置する第三の選択肢である。個人として裁量を持ちながら、仲介業として必要な基盤や責任は会社が担う形だ。現在は、一定の実務経験を積んだ30~40代を中心に、働き方を見直したいという層が多い。時間的な余裕を確保することで、顧客ファーストの仲介に集中できる環境を整えることが、不動産エージェントの価値だと考えている。
――エージェントの働き方は、従来の仲介営業と何が異なるのか。
エージェントの働き方は一律ではないが、共通しているのは、移動や事務作業などを極力減らし、顧客対応や提案といった価値の出る業務に時間を使っている点だ。前職では1日10時間以上勤務していた人が、現在は4~6時間程度の稼働に短縮しながら成果を上げているケースも少なくない。平日は物件情報の確認や顧客への提案、週末は内見や契約対応が中心となる。
――個人事業主としての裁量と、会社としての関与はどのように線引きしているのか。
裁量を認める一方で、取引のプロセスについては会社がすべて把握する仕組みを取っている。商談の発生から契約、決済に至るまで、案件はクラウド上で管理され、本部の承認を経なければ次の工程に進めない。働く場所や営業スタイルを一律に定めることはしていないが、取引の中身や品質については、通常の宅建業者と同様に管理している。場所よりも、プロセスと中身を重視する考え方である。
――囲い込み防止や広告、レインズ対応などのガバナンスはどうしているか。
囲い込み防止については、媒介契約を結んだ際に、売主が問い合わせ状況をリアルタイムで確認できる仕組みを導入している。どの不動産会社から問い合わせがあり、どのように対応したかを共有できるため、売主が取引状況を把握しやすくなる。取引や情報管理については、通常の仲介会社と同様に本部が責任を持って対応している。
――エージェントの育成や、今後のキャリアをどう描いているか。
働き方が多様になるほど、仲介の質や倫理観をどう維持するかが重要になる。そのため、実務だけでなく、個人事業主としての向き合い方や顧客対応の考え方も含めた研修プログラムを用意している。成約までの期間や取引価格については、一般的な売買仲介と大きな差はないと認識している。エージェントとして経験を積んだ後、独立する人がいても構わないし、別の働き方を選ぶ人がいてもよい。囲い込むことが目的ではなく、不動産仲介に関わる人材が増え、それぞれが力を発揮できる環境を整えることが重要だと考えている。























