第41回 住宅ジャーナリスト櫻井幸雄 慧眼を開く 興味引く話題「マンションの値引き」
住宅新報 2026年1月27日 号 4面
販売センターへの来場者があれば、個別に値引きを提示する。その効果はてきめんで、歩留まりというか決定率が上がる。販売する側からすると、来場してくれさえすればよい。が、その「来場」がなかなか進まない。今、郊外マンションの多くが悩んでいる状況だ。
値下げしていることを喧伝(けんでん=広く知らせること)すれば、客側にアレルギーが起きるのではないか。マンション全体の「格」が落ちてしまうのではないか。そのようなことが起きれば、販売戦略としては逆効果となる。
なので、物件ホームページで、「限定1戸値下げ」と打ち出したりする。完成マンションでモデルルームとして使った住戸を1戸だけ値下げしています、と知らせるわけだ。
それで来場してもらえれば十分。あとはなんとでもなる……というわけだが、この方法、そもそも物件ホームページを見てもらえなければ、動き出さない。電車の中吊り広告で「値下げ中」を知らせるほどのインパクトは出ない。なんとももどかしい状況が生じている。
では、購入者は「値下げマンション」をどう思っているのか。「値下げする物件など、買いたくない」のか、それも「値下げ、いいねえ」なのか。
試しに、Yahoo!ニュースで書いてみた。千葉市中央区で完成したマンションにおいて、建物前に「360万円OFF」を表示するマンションがあったからだ。そこで、「新築分譲マンションのプライスダウンが首都圏郊外で始まった」という記事を出して、読者の反応を試した。
この記事がどれくらい読まれたか。守秘義務があるので、PV数を明かすことはできないが、非常によく読まれた。都心タワマン関連の記事と同程度に関心を持たれたのである。
「マンションの値下げ」は多くの人の興味を引くニュースになることがわかった。値下げしているのなら見てみたい、買ってみたいという人間はしっかり存在している。問題は、その出し方だろう。
せっかく値下げしたのだから、注目してほしい。が、マンションの評価が下がるのは困ると考える人がいると、打ち出し方が抑えられる。いやいや目立つことはやめておこうという意見に傾きがちで、多くの人が意見を出すJV案件ではそうなりやすい。
さりげなくスマートに。しかし、多くの人に知ってもらいたい……むずかしいところだが、その効果はある。私のオフィシャルサイトに「プライスダウン情報」を出すか、どこかのニュースサイトに「今週みつけたプライスダウン」というコンテンツをつくるか、思案中である。























