ムーディーズ分析 AI駆使サイバー攻撃 情報漏洩リスク迫る セキュリティー見直し急務
住宅新報 2026年1月20日 号 5面

ムーディーズ・レーティングスは年明けに公表した「2026年の世界サイバーリスク見通し」の中で、攻撃側がAIを取り込み、フィッシングの精度向上や攻撃の大規模自動化が進むことで企業被害が深刻化しうると警鐘を鳴らした。防御側もAIで脆弱性を先回りして発見する動きが広がる一方、AI活用が進むほど「プロンプト注入」や学習データ汚染など新たなリスクも増えるとして攻防が「高度な戦略戦」に移るとした。英サイバー企業ソフォスのデータで25年のランサム攻撃は「暗号化前に検知・阻止」できた割合が44%と前年の27%から改善。暗号化に至った比率も25年は50%と前年の70%から低下したという。
暗号資産分野では、取引所や分散型金融で大規模侵害が相次ぎ、セキュリティーの成熟が資金調達や流動性の前提条件になると分析。スマートコントラクトの実装不備に加え、資産の保管・管理といったブロックチェーン外(オフチェーン)の弱点を突く攻撃が目立つという。具体例として25年2月に暗号資産取引所で約14.6億ドル相当のイーサが盗まれた事件を挙げ、承認画面の表示を偽装して社員に不正送金を承認させたと説明。発表後1時間で20万件の出金要求が発生し、預かり資産の約半分が流出する〝取り付け騒ぎ〟の様相を呈した。
こうしたサイバーリスクは、住宅・不動産業界にとって無縁ではない。管理会社の入居者ポータル、仲介の顧客管理(CRM)・追客、デベの販売管理・契約電子化、更には各種不動産テックのSaaSがクラウド前提で高度化するほど、個人情報・取引情報を抱えて〝面〟が広がる。





















