新春インタビュー 人材育成に新手法 「Vターンシップ」(下) あえて人を減らす勇気
住宅新報 2026年1月13日 号 4面
――最近は転職を希望する若い世代が多いですが、Vターンシップで出向を希望する人の中には「今とは違う環境や職場で働いてみたい」という気持ちが潜んでいるかもしれませんね。
五十嵐氏「あるでしょうね。当社でも出向してみたいと手を挙げる社員がいます。転職には大きな勇気がいるしリスクもありますが、Vターンシップならそうしたリスクなしに違う環境で自分の力を試すことができますから」
――確かにVターンシップは転職を踏みとどまらせる側面もありますね。
大山氏「転職サイトのいいところは専門家(エージェント)に相談でき、自分の長所も見つけて行き先を紹介してくれるところですが、必ず成功する保証はありません。入社して数カ月したら〝水が合わない〟ということも起こり得ます。その点、Vターンシップは必ず戻る場所があるので、半年間でどこまで自分を伸ばせるかというチャレンジができるいい制度だと思います」
――大山さんは行く前にはリノベるでこういう仕事にチャレンジしてみたいという具体的目標はありましたか。
大山氏「そういう緻密な目標はなく、ただひたすら自社との違いは何だろう、戻ってからその気付きをどう生かせるかという点だけに集中していました」
――そういう大山さん受け入れた感想は。
小島氏「私たちとしてありがたかったのは、新しい事業を立ち上げていく過程でなかなか着手でなかった部分に大山さんに来てもらったことで、短期間で体制を整えることができました。正式に人を採用するところまでは踏み切れない状況だったので助かりました」
――仲介する立場としては「こういう能力を持った人に来てもらいたい」という希望が明確になっていたほうがいいということでしょうか。
五十嵐氏「そこが微妙なところで、そういうケースもありますが、あまりターゲットを絞ってしまうと失敗することもありますし、逆に自分たちだったら決して社員としては雇わないだろうなというような人が行ったほうが成功するということもあります」
――人を動かして双方の会社にメリットをもたらそうというビジネスですから奥が深いですね。ところで今はVターンシップ担当部署のメンバーは何人ですか。
五十嵐氏「約15人です。最初は2人くらいからのスタートでした」
――今後の課題は。
五十嵐氏「やはり、送り出す側の企業をどうすれば早く確保できるかということです」
大山氏「送り出すだけではなく、半年間だけ社員を交換してみるというトレード方式もあります。今は人材育成のためのセミナーも多いですが、1回受講しただけで人は変わりませんが、Vターンシップの効果は絶大です」
――Vターンシップの場合は戻るのが前提で将来を期待しているからこそ出すという意味合いがありますね。
五十嵐氏「その通りです。実績を重ねてきて、今はそういう認識は社員の間でも共有されています」
――最後に、大山さんはVターンシップの魅力をどう感じていますか。
大山氏「今は人手不足なので人を出すことをためらう会社が多いと言われますが、半年間辛抱すれば一回りも二回りも大きな人間になって戻って来る可能性があります。今は転職や子育て、介護離職など黙っていても人がいなくなる時代です。だからこそ半年間という期間を区切って〝計画的に人を減らす〟という新しい発想が必要だと思います。残った人たちもその間はなんとか穴を埋めようと努力しますから、その人たちも成長する可能性があります」
――小島さんはいかがですか。
小島氏「大山さんのような経験豊かな方に来ていただくと、当社社員にとって、とても多く学ぶことありました」























