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スタンダード会員限定第38回 住宅ジャーナリスト櫻井幸雄 慧眼を開く 不動産市況が下降局面に入った

住宅新報 2026年1月6日 号 4面

連載: 慧眼を開く 住宅ジャーナリスト・櫻井幸雄

第38回 住宅ジャーナリスト櫻井幸雄 慧眼を開く 不動産市況が下降局面に入った

 年明け早々、シケた話で申し訳ないが、「不動産市況が下降局面に入った」ことは疑いようもない。

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 不動産経済研究所も昨年12月23日に発表した「首都圏・近畿圏マンション市場予測―2026年の供給予測―」でも「首都圏の価格上昇は一服」と表現。この「一服」はテレビニュースでも採用された。

 不動産市況は、上昇と下降を繰り返してきた。大きく上昇する時期があれば、その後に極端な下降局面が生じても仕方がない。が、いまのところは「一服」という控えめな表現に留まっている。

 リーマンショックの頃、「マンション暴落」と騒ぎたて、「まだまだ下がるから、今はまだ買うな」と書いたり、「マンション価格の今後ですか?」と言った後、眉をしかめて見せた人たちとは思えない紳士ぶりである。

 当時の経験から、「暴落」と騒ぐことの弊害を身にしみて知ったからなのか……。

 とはいえ、ここ数年、マスコミは「マンション価格上昇」を発表し続けた経緯があり、そちらの弊害がなかったとはいえない。

 投資目的の購入者であれば「マンション価格上昇」の記事を歓迎したはず。しかし、実需層にとっては決してうれしい話ではない。「首都圏のマンションは平均1億円」などと騒がれれば、「では、マンション購入をあきらめよう」という気持ちに傾きかねない。そんなニュースを流さないでほしい、という気持ちを抱いていた不動産関係者は少なくない。

 それにも関わらず「マンション価格上昇」のニュースが大手を振っていたのは、喜ぶ読者が多いからだと考えられる。

 つまり、投資目的のマンション購入者が想像される以上に増えたのである。

 マンション投資ならば、忙しいサラリーマンでも実行しやすい。副業禁止であっても副収入を得る手となる。また、老後の生活設計のため、そして、生涯独身の人にとっては老後の安心を得る確実な手段となるため、今、多くの人がマンション投資に手を染めているし、これからマンション投資を行いたいと考えている人も多い。

 そのような気持ちに支えられて、マンション価格は上昇したとも考えられる。

 新築分譲マンションの供給戸数は年々減り続けている。26年はさらに減ると考えるのが順当である。そして、建設費が高止まりする状況下、投資目的の購入者が減ることは不動産業界にとって、決して好ましいことではない。というか、死活問題となるだろう。

 幸いなことに、マスコミ関係者にはマンション投資に積極的な人たちが多い。個人的にマンション投資を行っている、もしくは行いたいと考えている人たちなので、「マンション暴落」の記事は出したくないだろう。

 その思いに支えられて、新築分譲マンションの価格は「一服」と表現されている。一服の後、どのようにして「新築マンションは今の価格が当たり前」にもってゆくか。26年の課題となるだろう。

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