レンタルオフィス 日本リージャス西岡社長に聞く 500拠点を目指す 10年後も東京中心変わらず
住宅新報 2025年12月16日 号 4面
――レンタルオフィス市場が今後も拡大すると見る理由は。
「既存のオフィスとレンタル(フレキシブル)オフィスに対する需要がトレードオフの関係にあると見るのは間違い。両者は完全に用途が異なる市場で、今後は〝すみ分け〟が更に進んでいく」
――というと。
「当社の顧客は法人が主だが、発足当初(1998年日本市場進出)は一時利用的な需要が多く平均利用期間は6カ月程度だった。それが現在は中小会社の本社や大手を含む企業の支店・営業所利用が増えたが平均利用期間は1年半ほど。つまり5年、10年と長期に借りる従来型のオフィス市場とは世界を異にしている」
――ブランドとして最高級の「シグネチャー」からスタートアップ向けの「オープンオフィス」まで4タイプがある。オフィスに対する需要が多様化しているのか。
「時代の変化が激しいこともあるが、人々の働き方に対する価値観が変化したことが大きい。例えば給料はそんなに高くなくても自分が好きなことを仕事にしたいとか、大所帯の大企業ではなく、新しい価値を創造しようとしている仲間と仕事がしたいとか」
――コロナ下を含めてこれまでに閉鎖した拠点が1カ所もないということだが。
「一つはコロナ下だからこそ新たな顧客があったということ。もう一つは拠点数を生かしたネットワークが強みを発揮した。コロナで全社員が1カ所に集まれなくなったときには拠点を新宿と大手町に分けたり、自宅近くの施設を利用したりというように分散利用ができたからだ」
「また、当社のメンバーシップ制度を柔軟に活用してもらえた点が大きい。例えば社員10人用の個室を契約していた会社が、出社率が半分に落ちたので5人用の個室に移動した場合。残りの5人が全く施設を利用できなくなるのは不便なので、5人分のメンバーシップを購入してもらうことで、その5人は自宅近くの施設や本拠地のラウンジで仕事をすることができる」
――今後10年で拠点数を2.5倍にする計画だが、東京と地方都市の配分は。
「基本的には今と変わらない。現在、200拠点のうち東京が半分の約100拠点、大阪・名古屋・福岡で70、残りの30が仙台、広島など地方中枢都市だ。この割合はおそらく500拠点になっても同じだと思う。ただ、その過程で47都道府県全てをカバーするという目標もある」
――東京では親会社の三菱地所を始めとする有力不動産会社との連携が拠点開設の基本スタイルだが、地方都市進出に際しても同様か。
「そうだ。信頼できるオーナーから長期に(定期借家権で10年)賃借できるスペースを安定的に確保していく必要があるからだ。地方でオフィス市場に強い不動産会社とは常に情報交換をしている。ただ、リスクが大きいので業務受託形式もとっている」
――東京がこれからも中心ということだが、用地不足で頭打ちにはならないか。
「東京はビルの集積度がニューヨークのマンハッタンと比べればまだまだ低く分散化しているので、これからも再開発は続いてビルは建っていくと思う」
――レンタルオフィス市場の伸びしろがこれからも大きいと見ている根拠は。
「コロナを契機に働き方というファンダメンタルズが大きく変わったことは確かで、これは景気循環に左右されない不可逆的な動きだ。更に働き方の進化は進む」
――レンタルオフィスビジネスの魅力とは。
「常識とは違い〝小は大を兼ねる〟ということだ。最初から大きなスペースで貸すと、そのテナントが抜けたとき、小さく小分けするのは照明やドアを付けたりとコストが掛かるが、狭いスペースをたくさん造っておいて、後から需要に応じて広くするのは間仕切り壁を取り払うだけで済む。入居企業の〝成長拡大〟を前提にしているレンタルオフィスビジネスには入居者と共に抱く夢があると思う」 (聞き手・井川弘子)























