不動産学の魅力 第75回 明海大学 不動産学部 REITと不動産企業株式の魅力 投資の分析力を磨く糧に
住宅新報 2025年11月11日 号 7面
不動産投資には、現物不動産の購入、不動産企業の株式取得、REITなどの方法がある。その中でも、少額から始められるREITや不動産株式は、個人投資家にとって現実的な選択肢だと考える。自らもREIT投資を実践しており、その経験を通してREIT投資の魅力について考えてみた。REITとは「Real Estate Investment Trust」の略称で、日本では不動産投資信託やJ-REITと呼ばれることもある。投資家から資金を集めオフィスビルや商業施設などに投資し、その家賃収入などの収益を投資家たちに分配する仕組みである。REITは安定的な収益構造と高い透明性が魅力であると考えられる。一定の条件を満たすことで法人税が実質的に免除され、その分が投資家への分配金として還元されやすい。また、大手不動産会社が直接かかわるケースやスポンサーとなるケースが多く、運営力と資金力に支えられた安心感がある。投資対象はオフィス、商業施設、物流、ホテルなど幅広く、個人では取得困難な都心の一等地にも間接的に投資ができる。
J-REITの例として「日本リート投資法人」は、保有不動産の鑑定価格や取得価格、NOI利回り(実質利回り、Net Operating Income=営業純利益)などが開示されており、不動産の価値を具体的に把握できる点が興味深い。特に、不動産企業株式は企業の経営判断や成長戦略が株価に直結する。ヒューリック株式会社やいちご株式会社への投資経験を通じて、決算書を分析した結果、今後の市場動向を踏まえて不動産ポートフォリオを見直していることが分かった。具体的には、インフレに強いデータセンターへの投資を増やす一方で、人口減少を見据えてオフィス物件の増加を抑制している傾向がみられた。また、「iシェアーズ米国REIT ETF」に投資する際には、為替などのマクロ経済要因の影響を体感し、国内投資とは異なるリスクを学ぶことができた。
REITや株式は市場で売買できるため流動性が高く、現金化しやすい点も魅力である。投資を通じて、不動産株式では分析力や不動産企業がどのような考えで不動産を選びポートフォリオを組んでいるかを、REITでは不動産に対する具体的な知識を得た。以上のことからも、学生にとっては利益よりも、調べ、考え、学ぶ経験こそが最大の財産になると感じている。
























