第30回 住宅ジャーナリスト櫻井幸雄 慧眼を開く 玄関ドアの重さシニア購入ポイント
住宅新報 2025年11月4日 号 4面
「郊外駅近マンションにシニアの購入者が増えている」というヤフーニュース記事に端を発するテレビ出演で、意外な発見があったので、お知らせしたい。
それは、10月22日にフジテレビの「サン!シャイン」に出たときのこと。「シニアが駅に近い新築マンションを買うとき、チェックすべきポイントは何か」を聞かれた。いろいろあるのだが、ハタと思いついたのが、「バルコニーに出る窓と玄関ドアの重さ」だった。
近年、マンションの窓とドアは重厚になっている。遮音性、断熱性を高めるため、重たいし、閉めたときの圧着度というか密着度が高い。そのため、力が弱くなった高齢者は開け閉め(特に開ける行為)に苦労することがあるので、モデルルームで試しておきましょう、とアドバイスした。
「確かに、ウチの窓も全然開かない」と出演者も反応してくれた。
なので、開けるのをアシストしてくれるレバー付きの窓もあります、といいかけて、ここでもハタと気がついた。
そういえば、最近のマンションでそのような補助機能を見かけなくなった、と。窓にアシストレバーが付いているのを初めてみたのは、20年くらい前か。いろいろなタイプの補助機構があったが、基本的な仕組みは同じ。テコの原理で力を加え、枠に密着した窓を少し動かす。そこから先は、軽い力で窓を開けることができるというものである。
私の資料写真を検索したら、2006年3月のデータが出てきた。
覚え書きからすると、湾岸エリアで開発された大規模マンションのモデルルームで撮影したものと考えられる。
同様のアシストレバーを最近見なくなったのである。
もっと小ぶりな装置は見た記憶がある。が、その数も減った。なぜ、姿を消したのか。考えられるのは、「意外に壊れやすかったから」ということ。「小さな子供でも窓を開けやすくなるので、危険」という理由もありうる。
高齢者は小さな子供とセットにされやすい。「道が狭いので、小さな子供とお年寄りは注意して」と言われたりするわけだ。
高齢者を助ける装置は、子供も操作しやすい。だから、外されたとしたら、それに代わる仕組みが必要だろう。
もっとも、最近の窓は、遮音性、断熱性を高めても開閉は楽になったという理由で、補助装置が不要になったのかもしれない。それなら、言うことなしなのだが……。























