不動産取引現場での意外な誤解 賃貸編241 賃貸借契約で手付が交付されることはあるか?
住宅新報 2025年10月14日 号 13面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解

Q.前回の賃貸編(7月22日号)の、建物賃貸借契約で「借主が手付を支払っても、契約書が作成されなければ契約は成立しない」との東京地裁の判例には驚きました。
A.確かに、賃貸借契約は「諾成契約」ですから、法律に特別の定めがなければ契約書などの書面の作成は必要ありません(民法522条、601条)。その上、宅建業法37条の書面化義務の規定は契約の当事者に対する義務規定ではありませんし、契約の成立要件を定めたものでもありません。宅建業法37条の規定は宅建業者に対する規制であり、それも当事者間で契約が成立したときにそれを書面化するように義務付けたものだからです。
Q.それにもかかわらず、なぜあのような判決が出たのでしょうか。























