「良質な不動産コンサルティング」検討 地域性踏まえた商品設計を 実務ツールと報酬に関するWG始動へ
住宅新報 2025年9月30日 号 6面

冒頭、オブザーバーの国土交通省不動産・建設経済局不動産業課長の倉石誠司氏(写真㊨)が、「不動産業はオーナーからの相談を受けて、取引、管理という一貫したビジネスができる。不動産コンサル業についても、相続相談を含め、しっかりと対価が得られる市場環境を整備していくことが重要」と述べた。更に「人口減少、少子高齢化が進む将来に、不動産業にはビジネスのチャンスとして、地域貢献や公共貢献の担い手としての活躍にも期待が集まる。国交省としても政策的な後押しをしたい」と言い、特に具体的な支援ツールの作成など実務面の成果に期待感を示した。
最重点課題は人材
同会合では、委員のプレゼンテーションも行われ、不動産コンサル普及の課題として、「市場の整備」「ブランディング」「担い手育成」の必要性などが示された。神奈川県不動産コンサルティング協議会会長の徳増源七氏は、「宅建士と比べてスキルや評判の比較がしづらい。無資格でも不動産コンサルティングを名乗れてしまうリスクがある」とした上で、「取引でも管理でも鑑定でもない必要な業務だ。普及のためのネーミングの再検討すなわちブランディングが重要であり、当面は組織化と情報交換を図る必要がある」と述べ、神奈川県内でのフォーラム開催を企画していると話した。
プロサーチ代表取締役の松尾企晴氏は、コンサル業務の属人性や十分なスキル習得に至るまでの時間コストなどから、人材が要であると指摘。「コンサル領域の広さも課題だが、自身の強みと解決したいテーマの掛け算で設定してみる。例えば、空き家など取り組みやすいテーマがいい。東京と地方でコンサルしたい内容も報酬対応も変わってくると認識し、そのエリア性に合ったコンサル商品をグループワークで組成する。更にどのようなメニューで提案し集客したかを集約し、提供できる環境を整えていくことがコンサルの普及につながるのではないか」と説明した。
空き家、戸建てを軸に
今後は11月、来年1月にそれぞれ議論を予定し、3月の中間とりまとめを目指す。事務局ではこれまでの議論を踏まえ、(1)コンサル業務と媒介業務の境界線、(2)コンサル業務に関する書類(マニュアル、フロー等)の必要性、(3)報酬についての考え方の整理の必要性――という3つの課題を整理する。
特に(2)(3)については具体的かつ実務的な内容を伴い、今年度中の成果提出に向けて2つのワーキンググループを設置すると説明した。更に、コンサルティングがオーダーメイドの分野であるとしつつも、取り組みやすさ、案件が増加している分野、社会課題解決への貢献という観点から、空き家及び戸建ての相談に寄せた内容で議論していく考えを示した。外部の実務者やオブザーバーの国交省とも連携していくという。























