CBREレポート 首都圏物流施設市場 27年には需要超過に
住宅新報 2025年9月2日 号 4面
CBREは8月26日、首都圏物流施設市場に関するレポートを公表した。大量供給の続いた首都圏マルチテナント型物流施設(LMT)市場が、「27年に転機を迎えることになりそうだ」と分析している。
新規供給大幅減を予想
同レポートではまず、建設工事に対する需給が引き締まって、建設工事費が上昇している点を説明し、その上で、「建設工事費の上昇は、特に賃料の伸びが期待できない物流施設について、新規開発の制約となっている」と指摘。首都圏の大型LMTの賃料は11年から22年までの期間で約12%上昇したが、以降は緩やかに低下している。今後については、東京ベイエリアや外環道エリアでは賃料上昇を見込むものの、圏央道エリアを中心に回復に時間が掛かり、首都圏全体としては26年まで下落傾向が続くと予想。そのためディベロッパーは、賃料上昇が期待できる立地や物件タイプを見極めて、物流施設開発を選別していくことになるという。
こうした理由から、首都圏のLMTの新規供給は大きく減少する見通し。同社では25年には約46.5万坪、26年には約52.5万坪の新規供給を見込むが、27年は約15.2万坪になると予想している。過去最大の供給があった23年と比べると83%減で、約15年ぶりの低水準となる。
需要が供給を上回る
一方、需要面をみると、LMTの新規需要は底堅い。24年の新規需要は50.9万坪で、大型の先進的施設に対するテナントの需要は引き続き強いことがうかがえる。テナントは人手不足やガソリン高などの物価高によるコスト増に直面しており、入居する物流施設の選定にあたっては、配送先までの距離の短縮化の是非、従業員の就労環境が良好な施設かどうかの観点から、厳しい目で判断をしているという。同社では、25年には36.3万坪、26年には50.7万坪の新規需要を見込む。
同社では、27年は新規供給が15.2万坪に縮小することにより、新規需要も抑制気味となる可能性があるが、それでも27.9万坪となると予想する。首都圏LMT市場では21年から供給超過が続いていたが、27年は6年ぶりに需要超過に転じる見込み。12.7万坪の超過需要は、空室率が急低下した19年の水準をも上回る。現時点の予想では、圏央道エリアを含む首都圏4エリアすべてで新規需要が新規供給を上回っているという。同レポートでは「大量供給の続いた首都圏LMT市場は、2027年にその転機を迎えることになりそうだ」としている。





















