知って得する建物の豆知識 405 2×4工法 「脱炭素」への対応で注目
住宅新報 2025年8月19日 号 9面
連載: 知って得する建物の豆知識
2×4工法に使われる木材は北米やカナダなどの原産地で一定の規格サイズで製材され輸入されています。在来木造軸組工法などで部材は、200種類近くありますが、2×4工法では部材のサイズを6種類に絞り、デザインの自由性と部材共通化によるコストダウンを達成しています。部材の寸法単位は米国規格を基にしているのでインチで呼称され、2×4は2インチ×4インチ(38ミリ×89ミリ)の部材という意味です。この工法では2×4の他に2×6.2×8.2×10.2×12.4×4などの部材が使われますが、基本部材である2×4インチ部材が工法の一般名称になっています。正しくは「枠組壁工法」と言います。
2×4工法は米国で発明された工法ですが、もともとは英国のハーフティンバーという木造工法に起原があります。間柱を多用した古典的な民家工法を改良し、1800年中頃には「バードゲージ(鳥篭)構造」・「バルーンフレーム(風船枠)構造」と呼ばれる、細い材木で鳥篭を編むように外壁を構成する、現代2×4工法のベーシックな技術が確立しました。この技術は米国がネイティブ・アメリカンを駆逐しながら西へ西へと発展していく時に、さほど難しい技術の習得を必要とせず、短期間に建物を造ることが出来るため、大いに役立ち発達しました。
日本では北海道に外国人宣教師などによって伝えられ、この工法によって沢山の建物がつくられました。現在でも札幌農学校模範家畜房(明治10年)や同時計台(同11年)など、古い形の2×4工法の建物が残っています。しかし、この合理的な工法も森林資源の豊富な北海道では広まりましたが、在来軸組工法主流の本州へは広く伝播しませんでした。合理的で、工期が短く、価格や構造の明快な2×4工法に注目する人が多かったのですが、事業として2×4工法住宅を確立するまでには至らなかったのです。時代は下って昭和39年、米国ブキャナン社と日本ホームズが技術提携し、翌年平屋のモデルホームが建設されています。その後も2×4工法住宅の建設は続きましたが、量的には微々たるものでメーカーの数も限られていました。
昭和46年、それまで個別に建築確認を受けていた2×4工法が他のプレハブ工法と同等の「工法単位」の認定を受け、これを機にナブコホーム・トーヨーサッシ・日東工営等のメーカーが2×4工法住宅に参入します。そして、昭和49年8月からは在来軸組工法と同等の一般工法としてオープン化され、多くのメーカーやフレーマーが2×4工法住宅に取り組むようになりました。
日本ツーバイフォー建築協会によれば令和6年の着工戸数は約10万戸で、住宅全着工戸数に占める比率は12.1%になっています。
近未来の2×4工法については、木材を多用することから「脱炭素」や「循環型社会」への対応が注目されています。具体的にはカナダや北欧からの輸入材依存を脱し、国産の杉やカラマツを使った2×4パネルの開発が進行中です。また、建設業界では人手不足と高齢化が進行しており「工場の現場化と現場の工場化」、すなわち工場生産化率の向上と施工の効率化は急務です。工場で緻密に設計され精密に製造された壁・床パネルを現場でAIベースのロボットが組み立てる「大パネル型ツーバイフォー」は建物の規模に応じて小住宅から中規模マンションまで対応できるようになっています。今後は大断面木造ラーメンなどとのハイブリッドに進化すると考えられます。
(建築家・中村義平二)


























