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プレミアム会員限定不動産学の魅力 第60回 学校統廃合による不動産需要の変化 持続的な発展を可能とする

住宅新報 2025年7月22日 号 7面

連載: 不動産学の魅力 明海大学不動産学部

売買・賃貸仲介
  • 不動産学の魅力 第60回 学校統廃合による不動産需要の変化 持続的な発展を可能とする

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  • 不動産学部3年 石川 尋斗

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 少子化の影響で学校の統廃合が年々増加していることを知った。文部科学省の学校基本調査によるとここ20年間で5938校の公立小中学校が廃校になっている。学校統廃合が統廃合対象地域の不動産需要に与える影響を考えてみたい。

 まず、学校が残る地域(統合先)では、ファミリー向け住宅の需要が上がるのではないだろうか。子育て世代は住宅を借りる際に子供の通学距離や安全性などを考慮しながら場所を検討する。統廃合によって地域から学校がなくなった結果、子育て世代が統合先の地域へ移動することで不動産需要が上がると考える。また、ファミリー向け住宅の賃料の増加や人口増加による地価の上昇、児童生徒・保護者などの往来が増えることによる商業施設、飲食店などのサービス業の需要の拡大も期待できる。

 反対に、学校がなくなった地域では、人口減少による不動産需要の低下が懸念され、賃料の減少や地価の下落が起こりかねない。不動産需要の低下により、地域経済の低迷につながってしまう可能性があるのだ。

 このように、同じ町内でも学校の統廃合をきっかけに不動産需要が大きく二極化する可能性がある。しかし、学校がなくなるのは悪いことばかりではない。地価や賃料が下がれば、学校が近いことを考慮しない高齢者、単身世帯、DINKs(共働き世帯で子供を持たないことを意識的に選択した夫婦)の居住地の選択肢になりうる。この世帯の人たちを増やしていくには、廃校の有効活用が効果的だろう。学校跡地が新たな商業施設や福祉施設、公園として活用されることで新しい需要が生まれるため、このような人々の不動産需要は上昇するはずだ。人口の流出抑制や新たな転入者の増加につながり、多世代が住みやすい街となるだろう。

 学校統廃合は今後も増加すると思われ、二極化の拡大による不動産需要の変化への対応が必要である。統合先の検討や、廃校活用などの再生策がますます重要になるだろう。このような再生策は地域経済の活性化や不動産需要の安定化につながる。また、廃校の活用を進めていくことで不動産需要の回復や若い世代から高齢者にわたる広いコミュニティの再構築にもつながり地域ブランドが再生、これにより地域全体の持続的な発展が可能になると考えた。

【教員のコメント】

 2024年5月時点で施設が現存している廃校のうち、活用されているものは74.4%を占める。廃校の増加に伴い活用方法が多様化しているが、必ずしも「地域のため」になっているわけではない。学校の役割を終えても、地域の中心施設であった背景を忘れてはならない。(秦 瑞希)

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