〝ビル終活〟プロジェクト 解体予定ビルで実践型消防訓練 東京建物 「空白期間」を活用
住宅新報 2025年7月8日 号 4面
東京建物は7月3日、〝ビル終活〟プロジェクト第2弾として、東京都渋谷区で同社が保有する築50年前後の解体前のビルを使った実践型消防訓練を行った。首都直下型地震を想定。同社社員が地元消防署や地域の消防団と連携し、室内に充満した煙を排出する設備を操作したり、敷地内で放水したりするなど、テナント入居中ビルでは難しい実践型訓練を実施した。
同社ビルマネジメント第二部長の安井崇氏は「災害が起きた際、消防が到着するまでの間の初動対応を行うのは我々社員だ。だからこそ訓練を通じて実践力を養うことが使命」と訓練の意義を述べた上で、〝ビル終活〟プロジェクトに触れ、「今回のような訓練は稼働中のビルではできない。解体予定ビルの新たな価値創出につながる」と話した。
今回、訓練の舞台となったのは渋谷駅から徒歩7分ほどに立地する「棟建インターナショナルビル」(1972年竣工、地上11階地下1階)と隣接する「東建長井ビル」(83年竣工、地上9階地下1階)の2棟。3班に分かれて、停電・非常時に作動するエレベーターの制御機能や排煙設備の機能確認、非常用階段で怪我人を安全に階下に運ぶ避難車を使った訓練などを行った。
現在、高度成長期の建設ラッシュの際に建てられた多くの建物が一斉に更新時期を迎えているといわれている。同社によると、合意形成の難航や、周辺との一体的な開発を企図して意図的に解体計画を延期、更に近年では、人手不足などの要因で解体時期が延期され、建物が利用されないまま「空白期間」になるケースがある。この「空白期間」は、所有者にとっては賃貸収入を生まないことはもちろん、人流の低下やにぎわいの喪失など周辺地域にとっても経済的な損失となるという。同社ではビルが解体を待つ間の「空白期間」を〝ビル終活〟と位置付け、今年1月には東京・代官山で解体前の建物を1棟丸ごと活用したアートイベントを開催した。























