知って得する建物の豆知識 402 日本の庭園 自然崇拝や神道的な自然観がルーツ
住宅新報 2025年6月17日 号 9面
連載: 知って得する建物の豆知識
日本庭園のルーツは、自然崇拝や神道的な自然観にあります。古代の人々は山や石、滝など、自然そのものを神聖視し、祭祀の場としての空間に石を配した「磐座(いわくら)」などが見られました。奈良時代には中国・朝鮮からの影響で、貴族の屋敷に池を中心とした庭が作られるようになります。これは「池泉庭園」の始まりで、遣唐使によってもたらされた唐の庭園文化の影響です。貴族が権勢を誇った平安時代になると浄土庭園」が登場します。これはに浄土宗の影響を受けた「極楽浄土の再現」を意図して作られた庭園で、池を中心に観賞・信仰・遊宴の場として機能しました。
「枯山水」に転換
鎌倉時代になると、武士社会を背景にした禅宗の隆盛により、庭園も質素で内省的な「枯山水」へと転換します。水を使わずに、石と砂で山水の風景を象徴的に表現した、瞑想や精神修養の場としての役割が重視されます。社会が成熟した桃山~江戸時代には、権力者たちは政治的・社交的な意味を持つ大規模な庭園を築くようになります。これが「回遊式庭園」と呼ばれるもので、庭園内を歩いて巡りながら、さまざまな景観を感じさせる構造です。思想的には浄土宗の説話に基づいたストーリーが、池を中心にして展開されています。

























