2025 宅地建物取引士受験セミナー (18)
住宅新報 2025年5月20日 号 7面

【問題2-36】
宅地建物取引業者(以下「業者」という)の重要事項の説明(法35条)に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
ア不動産の取引は、取引条件に関する事項が多岐にわたるため、重要事項説明書は、不動産取引の専門知識を有する宅地建物取引士が作成しなければならない。
イ第35条1項各号は、業者がその相手方に説明すべき事項のうち最小限の事項を規定したものであり、これらの事項以外にも場合によっては説明を要する重要事項があり得る。
ウ宅地建物取引士証の提示の方法としては、それを胸に着用する等により、相手方に明確に示されるようにしなければならず、個人情報保護を理由に、宅地建物取引士証の記載の一部をシール等で隠蔽してはならない。
(1) 一つ (2) 二つ (3) 三つ (4) なし
【問題2-37】
宅地建物取引業者Aが行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項説明に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
アAは、天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがある場合、その内容は、重要事項として説明しなければならない。
イAは、区分所有建物の貸借の媒介を行う場合、一棟の建物の通常の管理費用を特定の者にのみ減免する旨の規約があるときは、その内容を説明しなければならない。
ウAは、建物(昭和55年新築工事着手)の売買の媒介を行う場合、耐震診断の内容を説明にするが、売主及び所有者に当該耐震診断の記録の有無を照会し、必要に応じて管理組合及び管理業者にも問い合わせた上、存在しないことが確認された場合は、その照会をもって調査義務を果たしたことになる。
エAは、建物の貸借の媒介を行う場合、それが定期借家権の設定を内容とするものでも、貸主が説明(借地借家法第38条2項)しているときは、当該事項の説明を免れる。
(1) 一つ (2) 二つ (3) 三つ (4) 四つ
【問題2-38】
宅地建物取引業者Aが媒介の依頼を受け、Bを貸主、Cを借主とする建物の賃貸借契約を成立させた場合、交付すべき賃貸借契約書(以下、37条書面という)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
(1)Aは、BCの承諾を得て、37条書面に記載すべき事項を電磁的方法であって、宅地建物取引士の記名に代わる措置を講じたものにより、両当事者に提供することができる。
(2)BCの当該契約にA以外の業者が関与していても、37条書面には1業者(例えば、A)の宅地建物取引士の記名があればよい。
(3)Bが業者である場合、Aは、37条書面をCにのみ交付すればよく、Bに交付する必要はない。
(4)Aは、契約成立後、遅滞なく、37条書面を交付しなければならず、それを怠ると、業務停止、免許取消(情状が特に重いとき)処分、の対象となるが、罰則の適用はない。
【問題2-39】
宅地建物取引業者(以下、「業者」という)AがBと、C所有の宅地について、自ら売主となる売買契約を締結する場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
(1)AがCとの間で売買の予約をしている場合、Aは、予約完結権を行使するまでの間であっても、業者でないBと売買契約を締結できる。
(2)Aが、開発許可を受けた開発行為により、地方公共団体Cが所有する甲土地を都市計画法40条第1項に基づき、取得できることが確実であると認められる場合、Aは、業者でないBと売買契約を締結できる。
(3)AC間でCの代替地取得を停止条件とする売買契約が締結されている場合、Aは、業者Bと売買契約を締結できる。
(4)AがBとの売買契約に関して所定の手付金等の保全措置を講じれば、Aは、業者でないBと売買契約を締結できる。
【問題2-40】
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、業者でないBとの間で締結した建物の売買契約の手付金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア建物(工事完了前)の価格が3,000万円である場合、Aは、指定保管機関による保管措置等を講じた後でなければ、手付金200万円を受領することはできない。
イ建物(工事完了後)の価格が3,000万円である場合、契約締結日前に申込証拠金50万円(契約締結後、代金に充当される)を受領していたAが、契約締結日に手付金300万円を受領するためには、全額(350万円)について保全措置を講じなければならない。
ウ建物(工事完了前)の価格が3,000万円である場合、Aは、銀行との間で保証委託契約を締結し、銀行から保証書がBに交付されていれば、Bから手付金800万円を受領できる。
エ建物の購入に際し、Bは法定内の手付金を交付したが、当該売買契約に「Bの手付放棄による解除は、Bが金融機関から住宅ローンの承認が得られるまで認められる」旨の特約があった場合、この特約は無効である。
(1)一つ (2)二つ (3)三つ (4)四つ
【問題2-36】 正 解 (1)
アは誤り。
宅地建物取引士は重要事項説明書に記名し、説明を行うことが法定されているが、35条書面の作成は義務付けられていない。宅地建物取引業法35条。
イは正しい。
35条1項各号に掲げる事項は、業者がその相手方又は依頼者に説明すべき事項のうち最小限の事項を規定したものであり、これらの事項以外にも場合によっては説明を要する重要事項があり得る。宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方。
ウは誤り。
胸に着用してもよい。ただし、個人情報保護の観点から、取引士の住所欄にシールを貼って提示してもよい。同解釈・運用の考え方。
正しいものはイのみであり、正解は(1)である。
【問題2-37】 正 解 (3)
アは誤り。
危険負担に関する特約は、37条書面(契約の成立を証する書面)の記載事項であり、35条の説明事項ではない。
イは誤り。
「特定の者にのみ費用負担の減免をする旨の規約」は、区分所有建物の売買契約など(貸借以外)の説明事項である。宅地建物取引業法35条1項6号、規則16条の2第5号。
ウは正しい。
なお、本件の説明義務については、耐震診断の実施自体を宅地建物取引業者に義務付けるものではないことに留意する。宅地建物取引業法の解釈と運用の考え方。
エは誤り。
宅建業者の重要事項説明と貸主の説明義務(借地借家法38条2項)は異なるので、Aは、定期借家契約である旨を説明しなければならない。規則16条の4の3第9号。
誤っているのはア、イ、エであり、正解は(3)である。
【問題2-38】 正 解 (1)
(1)は正しく、正解。
宅地建物取引業者は、媒介により契約が成立した場合には、遅滞なく、37条書面を両当事者に提供しなければならない。ただし、電磁的方法により提供することもできる。宅地建物取引業法37条。
(2)は誤り。
取引に関与するすべての業者が、取引士に記名させる義務を負っている。同法37条3項。
(3)は誤り。
媒介した業者は、契約の両当事者に37条書面を交付しなければならない(同法37条2項)。この義務は、交付される者が業者であっても免除されない。同法78条2項。
(4)は誤り。
業者は、契約成立後遅滞なく、37条書面を交付しなければならない(同法37条1項)。交付義務に違反すると、業務停止、免許取消(情状が特に重いとき)、更には50万円以下の罰金の対象となる。同法65条2項、66条1項、83条1項。
【問題2-39】 正 解 (4)
(1)は正しい。
Aが予約完結権を行使すれば、Cとの間で売買契約が締結されたことになる。したがって、予約があればよく、完結権の行使までは不要である。宅地建物取引業法33条の2第1号。
(2)は正しい。
都市計画法40条第1項(公共施設の用に供する土地の帰属)により、業者が宅地を取得できることが確実であると認められるとき、Aは、Bと売買契約を締結できる。施行規則15条の6。
(3)正しい。
買主が業者である場合は、業者自ら売主となる場合の規制(8種規制)は適用がない(宅地建物取引業法33条の2第1号、78条2項)。したがって、Aは業者Bと甲土地の売買契約を締結できる。
(4)誤りで、正解。
「他人物売買」については、所有者との間で取得契約(多くは売買契約で、予約を含む)が締結されていなければ、業者は、自ら売主となる売買契約を締結できない(同法33条の2第1号)。「未完成物件」については、手付金等の保全措置を講じれば、売買契約を締結できる(同条第2号)。
【問題2-40】 正 解 (2)
アは誤り。
手付金が売買代金の5%(未完成物件)を超えており、事前に保全措置を講じなければならない(宅地建物取引業法41条1項)。ただし、未完成物件については、「指定保管機関による保管」という保全措置は認められていない。宅地建物取引業法41条。
イは正しい。
「契約締結後、代金に充当される申込証拠金」は、保全措置の対象である。受領する手付金との合算額は350万円となり、手付金等の額が「10%又は1,000万円」を超えているので、全額(350万円)について保全措置をとらなければならない。同法41条の2。
ウは誤り。
保全措置を講じても、代金額の20%(600万円)を超える手付金を受領することはできない。同法39条1項。
エは正しい。
この特約によれば、Bは、Aが履行に着手する前であっても、住宅ローンが承認されれば解除できないことになる。したがって、買主に不利な特約であり、無効である。同条3項。
イとエが正しく、正解は(2)である。
























