「地面師」に警戒せよ! 事故の客観的要因の続き 住宅・不動産業界に巣食う (8)
住宅新報 2025年5月20日 号 7面
【権利の有効性】
1・権利とは
所有者本人は自己所有の不動産について、売却その他の処分を自由に行う権利を有する。
2・権利に関する問題点
(ア)権利が制限を受けている場合の例。
(1)破産者
(2)被差押債務者
(3)処分禁止債務者
(4)遺言執行者がいる場合の相続人
(イ)権利の全部または一部が無効である場合の例。前所有者からの正当な権利取得原因が(一部)存在しない。
(1)偽造した契約書、窃取 した証明書等を用いた売買
(2)偽造した遺言書・遺産 分割協議書を用いた相続 (ウ)前所有者からの権利取得原因に法的な問題(無効、取消、解除原因等)がある場合の例。
(1)詐欺、脅迫による売買 に基づく所有権取得
(2)無権代理人の関与によ る売買に基づく所有権取得
(3)意思無能力者との売買 に基づく所有権取得
(4)制限行為能力者との売買 に基づく所有権取得
3・権利の有効性の確認方法
(ア)権利の存在または権利取得の有効性、権利が制限を受けていないことの証拠となる資料の徴求。
(イ) 前所有者他、権利取得時の関係者(仲介事業者等)からの聞き取り。
(ウ) 契約書、遺産分割協議書、遺言書等及び付属資料(印鑑証明書等)の調査。
(エ) その他資料の収集(入手に関係者の協力が不要な資料等)、登記申請書及び添付書類の調査(法務局)等。
【権限】
1・権限とは
本人に代わって法律行為や事実行為を行うことができる資格・地位(代理人・使者)。
2・権限を欠く場合(代理人や使者に権限がない場合)
(ア)個人が当事者(法人)の従業員(使者)、紹介者を装って行動する場合。
(イ)法人の従業員、役員や個人の親族等が当事者(個人・法人)の代理人・使者を装って行動(不動産の売却活動等)する場合。
役員や総務部長が、退職後に会社所有不動産を不正に売却する目的で、元社員の地位を悪用して当該会社の社屋に関係者を招き、信用させて売買代金(手付金)をだましとった実例は一例に止まらない(筆者自身も複数の事故の被害者から直接話を聞いた)が、個人所有の不動産に関しても、代理人や使者を装って不正な売却を目論む例は少なからずある。
3・権限の確認(代理人・使者に権限があるか)。手続きを本人(個人・法人)に代わって行う権限を第三者に与えているか。
4・確認方法
(ア)本人に直接連絡をとる(原則として面談)
(イ)本人確認資料の真贋を確認する
(ウ)関係者から裏付けをとる(証拠を得る。写真の確認など)
(エ)関係者から取引経緯等の聞き取りを行う。























