不動産学の魅力 地域分散型ホテル 行って知った商店街ビルの活用と課題 明海大学 不動産学部 第49回
住宅新報 2025年5月6日 号 7面
ゼミ活動で静岡駅前の商店街で展開されている「ビル泊」を訪問し、運営を行っているCSA不動産の方にお話を聞いた。「ビル泊」とは、商店街のビルの空室をリフォームし、分散型の宿泊施設として再利用する事業である。私が今回の訪問で学んだことは、事業開始前の壁についてで、大きく分けて2つある。
1つ目は、昔からある商店街だからこそ、人々に建物使用用途のこだわりがあるということ。最も印象に残ったのは、ビルの一室を改修する際に、両隣の店舗との調整に時間をかけたという話で、商店街が活性化するのであればみな喜んで賛成するだろうと考えていた私にとって意外な話だった。使っていなくとも長年続いてきた環境が変化することで起きるリスクやトラブルに対しての不安感からくる反対だと思った。いざ事業を始めてみると今まで来なかった客層が来るようになり、商店街の人から感謝されたということも聞いたので、やはり最初の一歩に踏み出すことがもっともハードルが高いことなんだと感じた。
2つ目は、時間やコストに対する改修の工夫や課題点である。ビル泊を始めるにあたって行政からの補助金を受けたからこその問題や焦りなどだ。工事では時間やコストの制約がつきものだが、予算を使いきれるようなリフォーム内容を考えつつオーバーしないように、ちょうどいい塩梅の内容にすることは簡単ではないと思う。そこに補助期間内に完成させるという施工期間のリミットも加われば、更に忙しくなることは、大学生の自分でも理解できた。また、コストカットをしながら、特別感のある空間に仕上げる内装計画の技量に驚いた。例えば、壁紙を全て張り替えると時間もコストもかかってしまうため、壁紙を張り替える場所と壁をそのまま見せる場所を組合せるといった、コスト削減をしながらおしゃれに見せる技術などである。
























