東急リバブル 小林俊一新社長に聞く 「働きがい」起点に成長 人、情報、事業幅を強化 店舗拡大、富裕層ビジネスの強化に意欲
住宅新報 2025年5月6日 号 6面

――社長就任の抱負を。
お客様評価、事業競争力、働きがいという「3つの業界ナンバーワン戦略」は社員に定着した。このうち私は働きがいを起点に高回転させていく。仕事のやりがいを高め、エンゲージメント向上に努める。人材や自社の成長に必要な投資を行っていく考えだ。
流通会社では珍しく様々な事業を持つ当社は、川上情報を捉え、いかに活用していくかが重要だ。その推進に向け、社長直轄組織としてMVC推進部を新設した。現場が抱えている情報を共有し、所管や部門の制約を超えて新たな収益機会の獲得に注力していく。先期に立ち上げた情報共有のプラットフォームも順調だ。情報と共に、人材の流動化も図ることで、顧客の最適解を提案していきたい。例えば、再開発事業に連携した地権者住戸の対応などが想定される。将来的にはグループの情報連携も視野に入れており、MVCがハブ役を担うと考える。
――不動産市況の見通し、リスクへの対応は。
リテールでは、新築マンション価格の高騰と供給減少の一方で、築浅の優良中古やインバウンド需要が都心を中心に活況だ。ホールも大きく落ち込むことはないだろう。
他方、景気の影響は起こりうる。特に高騰する都心・湾岸部の動向や郊外の価格差、為替によるインバウンド影響など、価格の変動リスクを懸念している。市況の影響を受けにくくするための対策が市場シェアの拡大と、景気に左右されにくい事業の推進だ。前者については首都圏、中部圏などに出店余地があると考える。年5店程度、3年間は増やせるのではないか。
後者の取り組みは富裕層関連ビジネスの拡大だ。ウェルスアドバイザリー本部を機構改革し、中長期的な顧客フォローを可能な形にし、新築販売部門も増強した。リテールでは「顧客満足から顧客感動へ」を合言葉に顧客目線の営業を推進しており、紹介獲得や再契約を目指す。
投資領域の伸びにも期待している。不動産小口投資やオーナーチェンジマンションの買取再販といったラインアップを拡充することで30年までとする新たな中期計画のけん引役になるだろう。また、郊外店舗では実需を中心に地道に取り組んでいく。関西では空き家の取り扱いを収益とする店舗も出てきた。
――成長のキーワードは。
デジタルが進展する中で仲介業の付加価値をいかに創出できるか。リノベーションや収益物件などで他社と差別化を図ることは可能だ。当社は営業現場で物件調達ができる点で優位性がある。
当社の強みは、事業領域の広さ、加工力、そして人材力だ。新卒社員や管理職の育成・マネジメントを武器に、営業社員と店舗を拡大し、業績を伸ばしてきた。棚卸し資産も積み上がってきたため、自社の成長に投資できる点も強みだ。今後は、リテール以外の専門人材の育成や、営業効率化に寄与してきたDXを営業の現場でより活用していく。女性活躍にも注力し、例えば出産等のライフイベントを迎えた女性社員が営業現場へ復帰するための環境整備を一層推進していきたい。挑戦という当社のDNAを強みに、社員が挑戦し、誇れる会社となるよう尽力していく。























