不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第46回 エリアリノベーション アートと街づくりを融合
住宅新報 2025年4月8日 号 7面
空き家活用は本当にエリアの再生につながるのか。「エリアリノベーション」は、空き家や空室が多いなど問題を持った特定のエリアを、そこにある様々な資源を活用して、独創性、持続性のあるエリアに低コストで作り替える取り組みである。現在全国各地で展開されているが、その初期からの取り組みの1つに2003年から始まったCET(Central East Tokyo)がある。CETは東京都心部の東神田から馬喰町までの空洞化エリアを示すと同時に、アートを使ってリノベーションしていくイベント名称でもある。地元企業とデザイナーなどで構成される実行委員会が企画運営を行っている。03年を中心にオフィス物件の供給が需要を上回り大量に空室や賃料低下が発生し、都心全体に多くの空洞化エリアが現れた。いわゆる「2003年問題」である。CETエリアには、改装可能な空室物件と、味のある古い建物が多いという特徴があった。
毎年秋から冬にかけて、期間限定でエリアの空室数十物件を借りて、それぞれの空室をアートの表現の場所に作り替える。アートに興味を持った人が必然的に多く訪れるため、そのなかから、「このアートの街でお店を出したい!」、「ここに住みたい!」と思う人が出てくることで、イベント会場以外の空き物件が解消されていく。さらに、味のある古い建物のツアーなども開催し、見えにくい魅力なども積極的に紹介していった。イベントは10まで毎年実施され一旦終了した。この7年間で空室や空き家の解消が進んだと言われる。23年にイベントが再始動したが24年は行われていない。現在どのような状況なのか現地を見に行った。新たにイベント会場となった貸室やその付近の空室は解消されており、アートギャラリーなどが見られるが、少し歩くとぽつぽつと空室のビルが目立つ。エリア全体の空室が解消されているわけではない。CETは期間限定の実験的側面もあったと思われるが、それでも現在もなお、アーティストによる空室利用の需要は増えているという。イベント終了後も、遅効性の薬のようにゆっくりと空室が解消されており、今もなおエリアは変わり続けているようだ。エリアリノベーションの面白さはここにあるのだと気がついた。劇的に状況が変わることを期待しがちだが、ゆっくりとエリアが良くなっていくことに気づき、変化を持続させることが重要なのではないだろうか。
【教員コメント】
























