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スタンダード会員限定不動産経済かわら版 (12) 名目GDP600兆円突破で新局面 ボルテックス 主席研究員 安田 憲治

住宅新報 2025年3月19日 号 4面

マンション・開発・経営
不動産経済かわら版 (12) 名目GDP600兆円突破で新局面 ボルテックス 主席研究員 安田 憲治

 内閣府が公表した2024年10~12月期のGDP速報値によれば名目GDPは約609.3兆円に達し、前年比2.9%増で初めて600兆円の大台を突破した。物価変動を除く実質GDP成長率はわずか0.1%であり、この乖離は消費者物価指数が約3%上昇し、円安進展により輸出企業や訪日需要の円建て売上げが拡大した結果である。企業業績の改善と海外市場の持ち直しが名目数字を押し上げたものの、実質成長の底上げは依然喫緊の課題である。内需拡大のためには、賃上げと生産性向上、更にはグローバル経済の変動に即応する柔軟な政策運営が必要であり、米中の動向も注視すべきである。

 三鬼商事によると、25年1月の都心5区のオフィス空室率は3.83%にまで低下し、特に好業績を上げるIT企業や先端製造業が都心部への新たな拠点拡張を積極的に進める事例が相次いでいる。これにより、オフィスビルへの投資は国内外の投資家から根強い支持を受け、安定した需要基盤が形成されると期待される。特に海外ファンドの動向は活発で、今後も大規模な取引が相次ぐ可能性が高いとの見方が強まっている。日本銀行の金融政策が段階的に正常化していく中、健全な金利環境が投資判断を後押しし、オフィス市場における資産価値の透明性や安定性が更に高まる見通しである。

 また、住宅市場においては、不動産経済研究所によると25年1月の首都圏全体の新築マンション平均価格が7343万円であった一方、東京23区に限定すると1億1483万円と極めて高い水準が続いている。これは、都心部の用地不足や厳格な建築規制、更には建材価格の高騰が各エリアに異なる影響を及ぼしている結果である。国土交通省の調査によれば、11年から21年に掛けて全国平均で29.4%の建築コスト上昇が報告されている。

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