「地面師」に警戒せよ! 最大の敵は自分の中にいる 住宅・不動産業界に巣食う (3) なぜ被害はなくならないのか
住宅新報 2025年3月4日 号 7面
前回、地面師以外にも不動産取引における事件・事故は多数発生しているとして、その全体像を概観したが、何故不動産事件・事故はなくならないのだろうか。
実は、その大きな要因となっているのが「主観的要因」なのである。
(1)地面師被害(不動産事件・事故)の主観的要因
地面師ブームで不動産事件・事故に対する認知度は上がったが、事件・事故はなくならない。それは、被害に遭う側の主観的な問題が事件・事故の本当の要因であることに気付いていないからである。即ち、不動産取引における事件・事故の防止は自分との戦いなのである。
(1)認知度の上昇
私たちはこれまで、ここで説明するように地面師を始めとする不動産事件・事故に対する具体的予防手段の実施を心がけ、依頼者にも呼びかけて来た。また、被害額が大きくセンセーショナルな事件がマスコミを賑わし、さらにそれを下敷きにしたドラマが人気を博したことで、詐欺等の不動産事件・事故に対する社会の関心も以前よりは高まっているように感じられる。また、各企業も対策を強化しているように思える(小職への研修依頼も増加している)。
(2)事件増加とその要因
しかし、特に私たち司法書士の関与しないところでは、不動産事件・事故は一向になくならない。いやそれどころか増加しているように感じられる。何故だろうか。
それは、事故を引き起こす最大の要因が、実は敵(詐欺師や無権代理人、意思無能力者)の側ではなく味方(自分)の側にあるからである。それが「主観的要因」である。
(2)主観的要因=「認識」の不足と「意識」の歪み
(1)認識=日頃から不動産事件・事故に関する認識(知識と可能性の認識)を持つこと
認識の不足が不動産事件・事故の要因の一つであり、それを回避するためには、まず、不動産事件・事故とはそもそも何なのか、どんな事件事故があるのか、それが如何に危険なのか、そして自分達もその被害に遭う可能性があることを知る必要がある。
(2)意識=不動産事件・事故に直面した時の意識
ここで意識とは、不動産取引に対処する際の認知機能や心の持ち方を指している。つまり、問題が生じる大きな要因が、自分たち自身の「こころの働き」の歪みにあるということである。「認知バイアス」、「正常性バイアス」等と言われているものである。
(フクダ リーガル コントラクツ&サービシス司法書士法人 司法書士 福田龍介)























