不動産学の魅力 クリエーティブな街並み 都市はグラフィティを許容できる 明海大学 不動産学部 第40回
住宅新報 2025年2月25日 号 7面
グラフィティは悪である。グラフィティは、壁や歩道などの公共の場所にスプレーやスケッチされた、言葉、イニシャル、イラストなどであり、つまり「落書き」のこと。それは自分の名前やメッセージなどを街中に記す行為から始まった。
世界中の街路に政治的・社会的批評を描くバンクシーは、グラフィティアーティストと言われ広く知られている。渋谷や新宿といった都心でも様々な場所にグラフィティが存在する。これを消去するために税金も使われる。東京都足立区では「しない!させない!放置しない!」をスローガンに「落書き110 番」への通報を促し、私有物への落書きを無料で消去する支援をしている。グラフィティは犯罪行為であり、決して許されるものではない。しかしながら、なかには、大きく多くの色を巧みに使いこなした、ストリートアートに迫るレベルのものも存在する。時として心を揺さぶられ、共感することも多々ある。この価値観が市民に共有されている都市があることを知って驚いた。
ロンドンにはグラフィティが建物の所有者によって認められている場所や、公共の場所で公式に容認されているトンネル内の壁が存在する。リーク・ストリートは公的にグラフィティが容認され、ロンドン最大のグラフィティ・トンネルとも呼ばれている。ここでは誰でも合法で自分を表現できる。グラフィティが存在しなければ、トンネルは莫大な公費で取り壊されていたはずだ。しかし現在、人気の観光地となっている。政府は公的な費用負担や管理をせずに、新たな都市の魅力を創出したことになる。
























