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プレミアム会員限定知って得する建物の豆知識 394 断熱工法 効率的なエネルギー使用を左右

住宅新報 2025年2月11日 号 9面

連載: 知って得する建物の豆知識

資格・実務
  • 充填断熱イメージ図

    1 / 2充填断熱イメージ図

  • 知って得する建物の豆知識 394 断熱工法 効率的なエネルギー使用を左右

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 日本の住宅冷暖房は、ほぼルームエアコン一択で、そこに少数派として全館冷暖房を前提としたセントラルシステムが存在します。今や北海道でも冷房は必須となるほど、夏の暑さが厳しくなってきたため、冬季は薪ストーブや石油ストーブ、ガスストーブで暖房する場合、夏季においては冷房専用エアコンや通常エアコンを設置する必要があり、冷暖房に対して二重投資が発生します。

 いずれにしても、どんな熱源を使用するにせよ、エコロジー云々以前に経済コストが最重要であり、そのための効率の良いエネルギー使用を考えると、建築物の断熱処理は今まで以上に、重要な要素になっています。

 一般的な木造住宅構造材の隙間に、断熱材を取り付ける方法を「充填断熱(内張り断熱)と言います。この方法は新築だけでなくリフォーム工事にも対応でき、施工コストも安価であるため、多くの物件で採用されていますが、断熱材の吸湿によって性能が低下しやすいというデメリットがあります。したがって、高温多湿な日本の環境では、必ずしもベストな断熱材とはいえませんが、断熱層の構成要素としては非常に有効です。代表的な素材にはグラスウール、ロックウール、セルロースファイバーなどがあります。

 一昔前に流行したのが「外張り断熱」です。これは「充填断熱」のように壁体内部に断熱材を挿入するのではなく、住宅の外側に断熱材を取り付けるイメージです。住宅全体を断熱材で覆うため、断熱効果が高いのが特徴です。冷暖房費を削減でき、壁体内に結露が発生しにくく、断熱性能の低下がありませんが、断熱材の取り付けが複雑になるため施工コストが高くなるのと、使用できる外壁材の種類が制限され、メンテナンス費用もアップする可能性があります。使用される断熱材にはポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォームなどがあります。

 よく混同されますが「外張り断熱」と「外断熱」は別物です。外断熱工法は、コンクリート建物の外側を断熱材で包み込む工法。蓄熱効果の高いコンクリートを外気温の変化から遮断することで、夏涼しく、冬暖かい生活空間を保つことができます。また、冷暖房効率が良く、省エネ性に優れています。

 さて断熱工法では「断熱層」を構成することが重要です。断熱層は「防湿層」「防風層」「気密層」「通気層」などで構成されます。まず「防湿層」ですが、これは室内の水蒸気が壁や床下、小屋裏などに入り込むのを防ぐために設けられる層です。結露の発生を防止する目的で、断熱層の室内側に設置されます。防湿層の主な構成材料は、ポリエチレンフィルムやアルミ箔、シリカ蒸着フィルムなどです。「防風層」は断熱材の通気層に面した部分を保護する層のことです。木造の通気工法では、通気層の内側が断熱材の外側と接します。このためグラスウールなど断熱材に、気流や湿気が侵入すれば、性能が低下します。そのため防風層には、通気性がなく、防水性が高く、かつ断熱材の内部から湿気を排出するために、透湿性のある通気層の構成が必要です。通気層の厚みは15~18ミリ程度です。「気密層」は壁や天井、床などに設けられ、隙間風や気流を防ぐ層です。プラスチック系フィルムなどを防湿性の高い素材(防湿気密シート)を隙間なく張って、室内を密閉させます。「通気層」は先に述べた通通気工法で外装材と構造躯体の間に設けられる層で、壁体内の湿気を排気して結露を防ぎ、構造材や下地材の劣化を防止します。

   (建築家・中村義平二)

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