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プレミアム会員限定不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第38回 アクアライン開通後を分析 交通利便性と住宅市場の変化

住宅新報 2025年2月11日 号 7面

連載: 不動産学の魅力 明海大学不動産学部

売買・賃貸仲介
  • 不動産学の魅力 明海大学 不動産学部 第38回 アクアライン開通後を分析 交通利便性と住宅市場の変化

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 近年、地方都市では、鉄道の駅前の重要性が相対的に低下しており、郊外に商業施設などが集積する結果、住宅地も郊外に広がっている。この動きがよく分かるのが木更津市である。2009年に社会実験として実施されたアクアライン通行料金の大幅値下げと、13年に圏央道が延伸したことを受け、木更津市内で車や高速道路を使うことによる利便性は大きく向上した。これらの高速道路の利便性の向上は継続的な人口の増加に繋がっているものと考えられる。 私は昨年、これらの利便性が向上した前後で、消費者が不動産を取引する際の評価の重点がどのように変化したのかを、アクアライン開通後の住宅価格を実証分析することを通じて明らかにした(分析では人口に同様の変化が見られる袖ケ浦市も対象とした)。具体的には、消費者が鉄道と高速道路のどちらに接続しやすいことを高く評価しているのかを明らかにしたものである。なお、鉄道へのアクセス性を表す変数としてJR内房線の「快速停車駅までの距離」を使用し、高速道路へのアクセス性を表す変数として「高速バス停までの距離」を使用した。分析の結果、鉄道へのアクセス性への評価は、利便性改善の前後を通して駅に近いほど取引価格が高くなる傾向があることが明らかとなった。しかし、交通利便性の変化は、駅までの距離と取引価格の関係には影響を与えていないことが示された。

 他方で、高速道路へのアクセス性への評価は、利便性改善前は取引価格と無相関、もしくはバス停に近いほど取引価格が低くなる傾向が示された。しかし、高速道路の利便性の変化は、バス停までの距離と取引価格の関係に影響を与え、バス停に近いほど取引価格が高くなる傾向に変化したことが示された。これらの結果は、高速道路の利便性の向上を境に、消費者が駅へのアクセス性だけでなく高速道路へのアクセス性も重視する形へと変化したことを示唆している。地方自治体においては、合理的な政策を策定することが求められるが、これらが適切に実施されるためには、公共財の供給によって生じる変化を踏まえる必要がある。

 木更津市が今後も持続的な成長・発展を目指すのであれば、駅前を中心市街地として再開発することに固執せず、高速道路という公共財の供給によって生じた、不動産市場の動向や変化を踏まえた上で、合理的な政策の整備を進めることが重要になるのではないだろうか。

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