SUUMO副編集長に聞く 購買意欲減退で、賃貸市場好調 最新募集トレンドと入居者ニーズ
住宅新報 2024年12月10日 号 7面

賃貸市場が好調と言われている。その理由や背景、最新の募集トレンド、消費者ニーズなどを、不動産サイト「SUUMO」副編集長の佐々木綾香氏(写真)に聞いた。(小倉薫)
――賃貸市場の現在。
「住宅市場全体の中で、賃貸は好調だ。その背景には、新築住宅の価格高騰がある。物件購入に対するハードルが高くなり、購入意欲が減退しており、特にファミリー層では、賃貸に留まらざるを得ない状況になっている。そのため、ファミリー層は、家賃の値上げに対して許容度が高く、家賃が上昇しても、賃貸に住み続ける選択をしている」
――賃貸検討者の傾向。
「入居者が好む設備では、独立洗面台や24時間ゴミ出し、宅配ボックスなどが挙がっている。満足度や寄与度が高く、差別化できる設備として、防犯カメラやディンプルキーなど防犯設備が上位だ。女性単身社会人からは、宅配ボックスの要望度が高いが、実態に乖離がある。宅配ボックス導入は検討してほしい。また、ファミリータイプの住戸に暮らす人は、災害時に備えた備蓄庫の要望度が高い。近年の気候変動や自然災害によって、ファミリー層の災害への備えに対する感度が高くなっている。以前「魅力を感じるコンセプト賃貸住宅」を聞いたところ、防災賃貸住宅が1位に選ばれた。災害に対応した物件はまだ少ないが、対応力が求められる」
――家の探し方。
「写真や動画などウェブ上で、効率よく物件探しを行っている。具体的には、ソファーが収まるか、駐車場に所有する車が入るかなど、寸法を始め細かい情報を確認している。写真や動画は多めに撮影し、情報の出し惜しみはしない方がよい。特に若い世代は、オンラインにもリアリティや臨場感を求めている」
――入居率UPの施策。
「ペットを飼っている人の家賃値上げ許容度は高い。特に、犬と猫両方飼っている人は、6割以上が2万円ほど値上げしてもいいと回答している。これだけニーズが高いにも関わらず24年6月時点のSUUMO掲載データでは、ペット相談可の物件数は20%弱と少ない。新築物件は45%ほどがペット相談可となり、今後は増える傾向にある。犬を飼っている人には、空気清浄機付きエアコンの人気が高い。猫を飼っている、もしくはこれから飼いたい人は、9割が汚れを簡単に掃除できる床を希望している。
入居意向へ最も寄与する要素を見ると、シングルでは水回りが最も高い。トイレ・浴室・洗面が独立している住戸と3点ユニットを比較すると、3点ユニットバスがネガティブに影響し、家賃では1.6万円以上の影響力がある。例えば、通常のキッチンで和室だとしても、水回りが3点セパレートであれば選ばれる可能性がある。カップル・ファミリーでも同様の結果が見られたが、シングルよりもシステムキッチンへの入居意向が大きい。募集トレンドと消費者のニーズに関して、マーケティングをしっかり行うことで、賃貸住宅の質を上げ、それに見合う賃料UPを実装できる」























