三井不など 伐採本数を減らし、配置変更 神宮外苑再開発 新植増で樹木保全図る
住宅新報 2024年9月17日 号 4面
神宮外苑再開発で三井不動産、日本スポーツ振興センター、明治神宮、伊藤忠商事の4事業者は、2023年9月に東京都からの要請(「神宮外苑地区のまちづくりにおける樹木の保全について」)を受け、計画エリア全体で「1本でも多くの樹木を保全する」ために、施設計画の工夫や既存樹木の23年の調査結果を基に細部にわたる検証を実施した。
それを踏まえ協議を重ねてきた結果、伐採本数は当初の743本から124本分減らし、619本に変更する。
内訳は、新ラグビー場の北側部分を一部セットバックすることで、建国記念文庫敷地の9本を伐採から保存樹木に変更。23年毎木調査に基づき、樹勢が回復していると判断された樹木や、移植に必要な根回しを適切に行うことが可能と判断された樹木12本を伐採から移植に変更。伐採予定だったが枯損等の樹木が6本あった。
聖徳記念絵画館前では、屋内テニス場などの配置変更や規模の縮小、丸池周辺の計画変更により、57本を伐採から保存樹木に変更した。23年毎木調査に基づき、樹勢が回復していると判断された4本を伐採から移植に変更。伐採予定だったが枯損等の樹木は18本だった。新ラグビー場、絵画館前以外でも枯損等が18本あった。
新植本数は、施設計画の工夫や移植樹木の移植先の見直しで、当初計画の837本から1098本へ261本増となる。内訳は新ラグビー場で131本増、絵画館前で130本増。
土壌改良で環境整備も
イチョウ並木と新野球場のセットバック幅拡大は、23年1月と24年1月の2回にわたり実施した4列のイチョウ並木の西側一列の根系調査により、根の太さ・本数・長さ等を調査した結果、並木の歩道縁石から西側へ約17メートルを超えた位置では直径30ミリ以上の根は確認されなかった。
環境影響評価書では「根系調査の結果、調査断面(1メートル×1メートル)において、直径30ミリ以上の根が4本未満の場合には根を切断し、4本以上の場合には根に対して環状剥皮を行う。イチョウの健全な生育に影響を与えるような根が複数確認されたと樹木医が判断する場合には、樹木医の見解を踏まえ、施設計画の工夫等を行い、イチョウを保全する」との判断基準を設けている。
そのため、約17メートルまでを根系保護範囲とし、約1.3メートルを工事中の施工スペースや更なる根系伸長域として確保し、新野球場棟のセットバック幅を当初計画の約8メートルから約18.3メートルに拡大することにした。イチョウの根系保護範囲は2倍以上に拡大され、並木沿いの歩行者空間やオープンスペースが拡大した。並木から約10.5~18.3メートルの範囲で土壌改良を行うなど、根が生育しやすい環境も整えていく。
明治神宮外苑再開発事業は、老朽化した神宮球場や秩父宮ラグビー場の位置移動建て替えや、高層ビル3棟の建設を中心としたまちづくりプロジェクト。全体完成は36年を予定している。ユネスコの諮問機関・日本イコモス国内委委員会などが、景観や環境保全の観点から計画の見直しを求めている。























