沖縄米軍用地 相続対策に回帰 〝タワマン節税封じ〟影響か 利回り商品復権も後押し
住宅新報 2024年6月11日 号 7面
沖縄米軍用地は、依然として活発に取引されている。米軍基地にとどまらず、自衛隊の施設がある土地も含まれる。地元民(地主)の住宅や農地だった土地は、戦後に米軍基地が整備され、国が米軍に代わって地主に借地料を支払っている。防衛省は、「沖縄県内の防衛施設に係る借料」として2024年度に1060億円を予算化した。1m2単価で借地料は前年度比1.1%の増額だ。毎年約1%上昇するのが特徴で、地価下落を経験したことのない軍用地に相続税対策の資金が入る。 (中野淳)
ゼロ金利下で国債を保有するよりも安定した運用ができることと、米軍用地に対する銀行の高い評価を裏付けに購入時よりも高値で売り抜けられるなどで注目されてきた。足元で軍用地に対する銀行の担保評価額の倍率は40倍台で推移しているとされる。
複数の地主会が存在するが、北谷町を見ると、嘉手納飛行場の24年度の宅地見込み地の借地料は100m2当たり年間およそ17万円であることから銀行評価が40倍として100m2の用地を担保に680万円まで融資に応じてもらえる。1000m2であれば評価倍率を基準に少なくとも6800万円以上で売却できる可能性が高い。一部を分筆して売り出し現金化、残りを毎年借地料を得ることもできる。こうした旨味を知った本土の不動産事業者や不動産投資家がこぞって軍用地の購入を積極化したことで、この倍率は一時期60倍を超える水準に達したが、新型コロナウイルスの世界的大流行前の19年秋に地元の銀行が本土在住者には融資しない方針に転じた。
軍用地研究家でミウラオキナワ合同会社とラ・メール新都心合同会社(共に那覇市)の三浦弘人代表は、「軍用地の取引価格が一時急騰していたが、本土向け融資がストップしてから適正価格で落ち着いた状況になっている。本土向けに融資を出すと、売買は活発になり、土地値が上がっていくが、最終的に割を食い高値づかみをするのは沖縄県民だと銀行が判断したためと思われる」と指摘する。
























