GMK代表取締役社長 齋 藤 諭 第2回 スプロール化と空洞化 従前従後をつなぐ権利変換 まちづくりのすすめ 考 察再開発
住宅新報 2024年5月14日 号 4面

「まちづくりのすすめ」連載第2回は、都市のスプロール化、空洞化に起因した様々な問題や課題に焦点を当てながら、これからのまちづくりの役割を考える。
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高度経済成長時代は大都市に人口が集中するのと並行して、都市部で再開発が急増していった。しかし人口集中のスピードが速すぎたため、まちづくりが追いつけなくなった。その結果、都市の膨張いわゆるスプロール化が始まり大型商業施設の郊外化が進んだ。鉄道網やモータリゼーションが発達し、不動産バブルが重なったことも都市の膨張に拍車をかけた。
東京近郊に開発された大規模住宅団地の多摩ニュータウンはまさにスプロール現象の一例だ。開発当時は20万人もの人口を一時的に吸収することに成功し一定の役割を果たしたといえるが、人口減少、少子高齢社会の現在になって様々な問題に直面していることも事実だ。更にスプロール化は、全国の主要都市で目立つようになっている中心市街地における空洞化という問題も引き起こした。
スプロール化や空洞化は、経済合理性の点でも多くの問題を抱えている。例えば、公共サービスにおいては料金収入の減少や運営維持費の増加などによって料金の大幅値上げを迫られたりする自治体が増えている。介護の分野でも介護サービス事業者が顧客間を移動する時間、距離が業務効率の足を引っ張っていることも問題になっている。不動産市場でも空き家の増加という問題を抱えている。
いずれもその場しのぎの対応や私たちの〝まちづくり〟への感心の薄さが、今日の様々な社会問題につながっているのは否めない。都市における住宅の役割、住宅のあり方を総合的に整理してこれなかったことが根底にある。言い換えれば、〝まちづくり活動の不在〟が招いた当然の結果といってよい。
都市は膨張する時期を過ぎて縮小へと向かい、都心回帰、コンパクトシティ化という逆回転が始まって久しい。都心や中心市街地では再開発が再び活発化し、マンションの長寿命化や建て替えが急務になっているのはそうしたことの表れだ。
都市における複雑、多岐な問題を解決に導き、都市機能を向上させることが都市再開発事業の一つの役割だ。再開発事業は、権利変換方式の第一種市街地再開発事業と、より公共性の高い用地買収方式の第二種市街地再開発事業の2つの手法がある。
このうち大半が第一種市街地再開発が占めており、全国で過去2000を超える事業が実施されている。それらの中心的な機能を担っているのは権利変換だ。そしてその「従前、従後をつなぐ」権利変換は、精神的、文化的な日本独特の風土に支えられていると言っても過言ではないと思われる。 (続く)
齋藤諭(さいとう・さとし) 73年大高建築設計事務所入社。79年タカハ都市科学研究所入社、84年同常務、85年同代表取締役所長、09年同退任。09年株式会社GMK設立、同代表取締役社長。再開発プランナー、再開発コーディネーター協会情報委員会副委員長、同協会マンション建替検討委員。東京都立大学大学院修士課程修了。





















